• 26日夜、モスル近郊のキリスト教徒が多くを占めるハムダニヤ地区にあるハイサム結婚式場では、パニックに陥った約250人の招待客が出口に殺到した。

バグダッド：約100人が死亡した結婚式場の大火災から2日後の28日、イラクの首相が同国北部の負傷者と遺族を訪問した。また、火災で負傷していた2人が新たに亡くなった。

イラク国営テレビによると、ムハンマド·シア·アル·スダニ首相が28日未明、閣僚や治安当局の代表団を伴ってニナワ県に到着し、ハムダニヤ総合病院とアル‧ジュムフーリ病院において火災の負傷者を見舞い、犠牲者の遺族を弔問した。

首相はその後、シリア‧カトリック教会のマル‧ベナム修道院を訪れ、犠牲者に哀悼の意を表した。

ある保健当局関係者が、規則に従い匿名を条件にAP通信に語ったところによると、火災により重度の火傷を負っていた30歳の女性と4歳の子どもが新たに亡くなったという。

26日夜、モスル近郊のキリスト教徒が多いハムダニヤ地区にあるハイサム結婚式場では、花火が天井のパネルに燃え広がり、パニックに陥った約250人の招待客が出口に殺到した。

地元当局によると、この火災で約100人が死亡したが、死者数はさらに増える見込みだという。また、現在も負傷している少なくとも100人のうちの多くが重度の火傷だと伝えられた。

結婚式場の所有者は、安全規定違反により告発された。

モスル市当局は27日、安全承認を得ていないか当局の警告を無視しているホテルやレストラン、その他のイベント会場に対して閉鎖するよう求めた。

聖ベナム‧シリア‧カトリック教会では28日、葬儀への参列が続いた。イラクメディアやソーシャルメディアで出回っている映像には、葬儀参列者の中で嘆き悲しむ新郎新婦の姿が映っている。

内務省は、可燃性の高い建築資材が火災の一因であるとし、建物の所有者を安全規定違反の疑いで告発した。今回の大火災は、過去10年間でかつての規模のごく一部にまで縮小した、少数派であるイラクのキリスト教徒を襲った新たな悲劇となった。

治安当局関係者はAP通信に対し、建物の所有者1人と、労働者と従業員の13人に対して現在調査が行われていると伝えた。同関係者は、過失によって火災が引き起こされたとし、政府が生存者と犠牲者の遺族に対する補償の準備をしていると語った。同氏は報道陣に話す許可を得ていないため、匿名を条件に語った。

政府報道官は、ホテルや学校、レストランやその他のイベント会場が安全基準を順守しているかどうか、当局が厳正な検査を行うと発表した。

結婚式場の所有者の1人であるチョニー‧スレイマン‧ナブー氏はAP通信の取材に対し、電気系統の故障が火災を引き起こしたとし、安全対策を怠ったという疑いを否定した。

AP