アル・ムッカラー:イエメン北部のサアダ県で9月30日、フーシ派がドローン攻撃を行い、イエメン政府軍の兵士1人が死亡し、複数人が負傷した。同様の攻撃は、この1週間で2度目となる。
サアダ県のハディ・タルシャン知事はアラブニュースに対し、フーシ派は、9月26日に革命61周年を記念してイエメン政府軍がBaqoum地区で行っていたパレードに向けて、爆発物搭載ドローンを多数飛行させてきたと語った。
政府軍はドローンを何機か撃墜したものの、1機は目標に的中し、軍の兵士1人が死亡し、複数人が負傷した。
「我々サアダの住民は2004年からフーシ派を知っていますが、彼らは自軍が弱体化しない限り、いかなる取引も停戦合意も守らないことをよく理解しています。今日の出来事は、そのことをよく示しているのです」と、タルシャン知事は語った。
今回の攻撃は、サウジアラビアとイエメンの国境付近で、フーシ派がアラブ連合軍の部隊に対してドローン攻撃を行い、バーレーン人兵士4人が死亡した事件の1週間後に発生した。
昨年4月に国連の仲介による停戦が発効して以来、敵対行為は大幅に減少したものの、フーシ派は現在もタイズやマアリブ、ダレ、ラヒやその他の県の政府支配地域や軍事拠点に対して地上攻撃や、ドローンおよびミサイルによる攻撃を続けている。
イエメンの政治・軍事に関する専門家によると、敵対行為の増加は、公務員への支払いを迫られているフーシ派支持者と、サウジアラビアに対するメッセージだという。
軍事アナリストのモハメド・アル・クメイム准将はアラブニュースの取材に対し、フーシ派は政府軍やアラブ連合軍を標的にすることで、支持者らに自分たちの力を再確認させ、サウジに対して和平要求を受け入れるよう圧力をかけているのだと述べた。
「その意図は、支持者の士気を高め、サヌアで起きていることから注意をそらすために、(イエメン)内部にメッセージを送ることなのです」と、アル・クメイム准将。
「それに加えて彼らは、サウジアラビアに対しても、自身らの要求を真剣に受け取るようメッセージを送っているのです」
しかし、仮にイエメン政府やサウジが要求に応じたとしても、フーシ派は新たな要求を作り出し、軍事作戦を継続するだろうとアル・クメイム准将は述べた。
「それが、我々の知っているフーシ派なのです。連中は、他者を攻撃するためであれば休戦中であろうといかなる機会をも利用する、合意違反者であり、詐欺師であり、また反逆者なのです。自身らの要求が満たされたとしても、何の譲歩もなく、また新たな要求を用意するだけなのです」
先週フーシ派は、サヌアとイッブにおいて、革命記念日を祝うために街頭に集まっていた1000人以上のイエメン人を拉致した。彼らの行動を、フーシ派による支配と集会の禁止という布告に対する挑戦とみなしたのだ。
またフーシ派は9月30日、人権団体「ムワタナ(Mwatana)」に所属するイエメン人の活動家4人がヨルダン・アンマン行きの飛行機に搭乗することを阻止した。
ムワタナによると、フーシ派は4人の活動家を尋問して出国ビザを取り消し、空港から去るよう命じたが、その対応にいかなる理由も告げられなかったという。
「これは、イエメン国民が有する移動の自由に対する、フーシ派の新たな侵害行為です」と、搭乗が妨害された4人のうちの1人である、ムワタナのラシード・アル・ファキーフ副会長がXに投稿した。
「フーシ派は、その規則と布告によって、イエメン共和国で有効な憲法とすべての国内法を弱体化させ、立法行為を妨害してきたのです」