
エルサレム/ガザ/テルアビブ:イスラエルは12日、すべての人質が解放されるまで、援助や避難のためにガザの包囲を解除することはないと述べた。一方、米国は市民を保護するようイスラエルに促し、赤十字はガザ地区での人道的危機を警告している。
イスラエルとの連帯を示すためにテルアビブに到着したアントニー・ブリンケン米国務長官は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、米国は常にイスラエルの側にあり、安全保障上の支援を行うが、「困難なときでも」自制を示すよう求めた。
イスラエルは、ガザ地区を支配するハマス運動を壊滅させると宣言している。これは7日、数百人の武装集団が境界のフェンスを越え、町々を襲撃して回ったイスラエル史上最悪の民間人攻撃への報復である。
イスラエル軍ヘルツィ・ハレヴィ参謀総長は、今回の攻撃を可能にしたガザ周辺の警備の失敗から教訓を得ることになると述べた。
「イスラエル国防軍は国と国民を守る責任がある。7日の朝、ガザ周辺において我々はそれに応えることができなかった」と彼は語った。「我々は学び、調査する。しかし、今は戦争の時だ」
同国の公共放送KANは、イスラエル側の死者数は1300人以上に上ったと伝えた。そのほとんどは、自宅や路上、ダンスパーティーで銃殺された一般市民である。イスラエル人および外国人の人質の多くがガザに拉致され、イスラエルはその数97人を確認したと発表した。
イスラエルは現在、230万人が住むガザを完全包囲下に置き、75年にわたるイスラエル・パレスチナ紛争の歴史の中で最も強力な爆撃作戦を開始し、近隣地域全体を破壊することで今回の攻撃に対応している。ガザ当局は、1400人以上のパレスチナ人が死亡、6000人以上が負傷したと発表した。
赤十字国際委員会(ICRC)は、ガザ地区内の病院に設置している非常用発電機の燃料が数時間以内に枯渇する可能性があると述べた。
「電気がなければ、病院は死体安置所と化す危険性がある」と、ICRC地域ディレクターのファブリズィオ・カボーニ氏は述べた。「このエスカレーションによって引き起こされる人間の苦しみは許しがたい。私は、市民の苦しみを減少させるために双方に訴える」
同国のイスラエル・カッツ・エネルギー相は、イスラエルの人質の解放なしには、封鎖に例外はないと述べた。
「イスラエルの拉致被害者が帰還するまで、電気のスイッチは入れられず、水道の蛇口は開かれず、燃料トラックも入らない。人道主義には、人道主義を持って応えるつもりだ。そして、誰も我々にモラルを説かないでほしい」とカッツ氏はソーシャルメディアプラットフォームXに投稿した。
ガザとの検問所を一箇所しか持たないエジプトは、援助を受け入れようとしていると述べた。
紛争が国境を越えて広がる可能性を示す最大の兆候として、シリアは、イスラエル軍の空爆がダマスカスとアレッポの空港を攻撃し、どちらも使用不能になったことを伝えた。イスラエル軍はこのような報道についてコメントしないと述べた。シリアはハマスのスポンサーであるイランの緊密な同盟国であり、イランは今回の襲撃に関する直接的な役割を否定しながらも攻撃を歓迎している。
ネタニヤフ氏の横に立ち、ブリンケン氏は言った。「あなた方は自力で自国を守れるほど強いかもしれないが、米国が存在する限り、その必要はない。我々は常にあなたたちの側にいる」
ネタニヤフ氏は、「アメリカよ、今日も、明日も、そしていつもイスラエルとともにいてくれてありがとう」と応えた。
ブリンケン氏はまた、自身の祖父がロシアのポグロムから逃れ、義父がナチスの強制収容所から生き延びたという、感情的かつ個人的な余談を述べた。
「ハマスによる虐殺がイスラエルのユダヤ人にとって、いや、世界中のユダヤ人にとって悲惨なものであることは、個人的なレベルで理解している」と語った。
「我々民主主義国家は、たとえそれが困難なことであっても、テロリストとは異なる基準を目指して努力することで、彼らとは一線を画している」
「だからこそ、民間人に危害を加えないよう、あらゆる予防措置を講じることが重要である」
ブリンケンは13日にヨルダンを訪れ、アブドッラー国王とイスラエル占領下のヨルダン川西岸地区で限定的な自治を行うパレスチナ自治政府のマフムード・アッバース議長と会談する。
ハマスと長年敵対してきたファタハを率いるアッバース議長は12日、双方の市民に対する暴力を非難した。
「我々は、双方における民間人の殺害および虐待を拒否する。なぜなら、それらは道徳、宗教、国際法に反するからだ」とパレスチナ公式通信社WAFAは、アッバース議長の発言を引用した。
13日、エルサレムの軍事墓地「ヘルツルの丘」には、死者を埋葬するために数多くのイスラエル人が集まった。
「あなたが私の呼びかけに応じなかったとき、私はあなたが全力で戦っていることを知った。あなたが行方不明だとわかったとき、こんな結末になるとは想像もできなかった」と、ある参列者は語った。
ガザ南部の主要都市カーン・ユニスでは、すでに墓地は満杯になっている。11曜日の夜に自宅を空爆されて死亡したサムール一家をはじめ、死者は空き地に埋葬されようとしていた。
親戚や友人と思われる人々は、遺体安置所で8人の遺体を見つけたが、10人以上が、まだがれきの下にいるという。遺体は、破壊された家から通りを下った場所にある敷地に並べられ、白い覆いが被せられていた。数百人の男性が近くで祈りを捧げている。
近くの病院では、ある女性が自宅を破壊された、泣き叫ぶ少女をなだめようとしていた。少女は「お母さんはどこ、お母さんに会いたい」と叫び続けた。女性は少女を抱きしめた。
ガザのアルシャティ難民キャンプでは、住民が素手でがれきをふるい分け、生存者や遺体を探していた。救助隊員たちは、燃料も、がれきを撤去するための機材も不足していると言う。
米国はイスラエルを強力に支援しているが、ブリンケン氏がアッバース議長に会う計画を立てたことは、アラブの同盟国が強く感じているパレスチナ側の不満にまだ配慮していることを示している。
1948年のイスラエル建国時に家を失い、追放された難民の子孫が多くを占めるガザ住民は、16年前にハマスが政権を掌握して以来、経済破綻、そして封鎖下の度重なるイスラエル軍の砲撃に苦しんできた。
イスラエルはヨルダン川西岸地区において、ここ数年でも最も致命的な弾圧を行い、右派政府はさらなる土地の接収を口にするなど、パレスチナ人の怒りはここ数カ月で高まっていた。パレスチナ国家の樹立を目指した和平プロセスは10年前に崩壊した。パレスチナ指導者たちは、この崩壊が住民から希望を奪い、過激派を増長させたと語っている。
ロイター