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スーダン、ダルフールで「民族浄化」の懸念が高まる

2023年9月1日、スーダン、北ダルフール州の州都アル・ファシャーの家畜市場地区で発生した火災。(AFP)
2023年9月1日、スーダン、北ダルフール州の州都アル・ファシャーの家畜市場地区で発生した火災。(AFP)
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18 Oct 2023 08:10:17 GMT9
18 Oct 2023 08:10:17 GMT9
  • 4月中旬以降、民兵により「少なくとも」68の村が放火されている。
  • 情報レジリエンスセンター 「その規模は甚大」

アラブニュース

ロンドン:スーダン西部のダルフール地方で民族浄化が進行中であることを示唆する証拠が出てきたことから、同国で展開されている暴力の規模に対する懸念が高まっている。

BBCは、英国政府から一部資金提供を受けている研究機関「情報レジリエンスセンター(CIR)」が行った紛争の分析を引用し、衛星写真やソーシャルメディアのデータから、スーダン軍(SAF)と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)との戦闘が4月中旬に勃発して以来、武装民兵によって「少なくとも」68のダルフールの村が放火されたことが明らかになったと報じた。

アフリカ担当大臣のアンドリュー・ミッチェル氏は、これらは「民族浄化の典型的な特徴を備えている」と述べた。英国の大臣がスーダンで進行中の事態を指してこの用語を使用したのは初めてのことである。

CIRのベン・ストリック調査部長はBBCにこう語った。「我々が記録したことからみえてくる規模は、これまでにないものだ。4月15日以来、我々は68の村が被害を受けた89件の火災を記録している。これは非常に大きな数だ」

「小さな建物が標的にされている場合もあるが、村全体が全滅したケースもある。民間人への影響を考えると、その規模は甚大だ」

「我々が見ているのは、殺戮のパターンであり、村が次々と焼かれるパターンである。特に、ハルツーム以外ではダルフールで最も激しい暴力が確認されている」

CIRは、NASAの衛星と熱認識技術を利用して、この地域一帯の焼き跡を特定すると同時に、民兵グループが村に放火している画像やビデオをソーシャルメディアから探し出し、どの組織による放火かを特定している。

衛星画像によれば、最新の火災が発生したのは10月9日、ダルフール南部のアマルジャディードだが、より詳細な分析によれば、RSFと緩やかな連帯関係にあるバニ・ハルヴァ族が8月16日の1日だけで、少なくとも9つの村に放火したことが示唆されている。

RSFは放火への関与を否定し、独立した国際的な調査を要求している。一方、SAFのアブドゥルファッターフ・アル・ブルハン将軍はBBCの取材に対し、国際刑事裁判所に協力し、関与した組織を裁きにかけると述べた。

「ダルフールであれ、ハルツームであれ、前述の犯罪にさらされたいかなる場所であれ、スーダン人がどこにいようとも、我々は責任を感じている」と彼は述べた。

「ICCとも協力したい。我々は、これらの犯罪加害者たちを特定するために協力することができる」

CIRによると、火災は対立するアラブ人グループ間の内紛の一環であったが、ダルフール西部の首都エルジェニーナで最大の現地民族グループであるマサリット族など、非アラブ人を標的にしたものも含まれていたという。

「ある朝、私たちがモスクから出たところで、ロケット弾が爆発した。私の友人の首は折れ、彼は命を落とした」とヤクブはチャド東部の難民キャンプからBBCに語った。

「私たちはある朝、私の家で友人たちと一緒だった。私たちがモスクを出たそのとき、ロケット弾(RPG)が爆発した。私の友人の首が折れ、彼は命を失った」と、ヤクブ氏は東チャドの難民キャンプからBBCに語った。

「紛争は民族紛争に移行している。しかし、誰もが等しく影響を受けている。誰も安心して眠れない。銃撃戦のせいで、誰もが一晩中床に伏せていなければならない。今、誰もが我々の小さな町から出て行ってしまった。私の知る限り、誰も残っていない」

ミッチェル大臣および国連は、この地域が20年前のような民族間の暴力に陥りかねないとの懸念を示している。

クレメンタイン・ンクウェタ・サラミ国連スーダン人道調整官は、戦闘が拡大するにつれ、残虐行為の報告も増えていると述べた。

「私たちは、性的暴力、強制連行、恣意的な拘留、人権および子供の権利に対する重大な侵害が増加しているという報告を受け取っている」と彼女は付け加えた。

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