
パリ:フランスはヒズボラとイスラエルに対し、国連レバノン平和維持軍であるUNIFILを不安定化させないようメッセージを伝え、ハマスとイスラエルの戦争をレバノンに拡大すれば、レバノンは 「奈落の底 」に突き落とされるだろうと述べた。
フランスはレバノンとの歴史的な関係から、イスラエルとイランに支援されたヒズボラとの間の緊張を緩和しようとしているが、暴力は急増している。イスラエルとレバノンの国境で起きた暴力事件を受けて1978年に設立された国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)には、約700名のフランス兵が所属している。
「国連から与えられた任務を遂行できないような、どうしようもない状況にUNIFILを追い込んではならないことは明白である」と、セバスティアン・ルコルニュ軍事大臣はフランス・アンフォ・ラジオに語った。
「これは、レバノン側とイスラエル側の様々な関係者に送っているメッセージだ」
レバノンのフランス代表団との会談の後、ヒズボラの指導者であるサイード・ハッサン・ナスラッラー師が金曜日に行う待望の演説を前に、ルコルニュ大臣は、レバノンのすべての指導者は、戦争に突入するリスクを理解するべきだと述べた。
「ここレバノンで戦争が起これば、中東の一部は奈落の底に突き落とされ、そこから立ち上がることは集団として困難なものとなるだろう」とルコルニュ大臣は語った。
エマニュエル・マクロン大統領は6月、元外相のジャン=イヴ・ル・ドリアン氏を起用し、レバノンの政治エリートたちが対立を脇に置き、新しい国家元首を任命するよう説得する方法を考え出そうとしている。レバノンでは、1年以上にわたって経済改革を実行し、重要な対外援助を解除することが出来ないでいる。
「我々が経験している困難において、1年以上も連絡担当者がいないのは明らかに無意味だ。これはレバノンをさらに弱体化させる」とルコルニュ大臣は述べた。
10月7日にパレスチナの武装組織ハマスとイスラエルが戦争を開始して以来、ヒズボラはイスラエルとレバノンの国境を挟んでイスラエル軍と銃撃戦を続けており、暴力による国境地帯での死者数は2006年の戦争以来最悪となっている。
ロイター