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国連がガザへの食料と物資の配送を停止 通信網遮断が援助調整の妨げに

2023年11月16日、ガザ地区北部。アル・シファ病院機能を停止した後、イスラエルの攻撃で負傷したパレスチナ人がインドネシア病院で床に横たわり、治療を待つ。(ロイター)
2023年11月16日、ガザ地区北部。アル・シファ病院機能を停止した後、イスラエルの攻撃で負傷したパレスチナ人がインドネシア病院で床に横たわり、治療を待つ。(ロイター)
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18 Nov 2023 12:11:30 GMT9
18 Nov 2023 12:11:30 GMT9
  • 2日目となる通信網の遮断は、ガザの230万人の生活を大きく分断している。
  • 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は17日、支援物資の輸送を停止したと、ジュリエット・トーマ報道官が伝えた。

ラファ:国連は17日、燃料不足によるインターネットと電話サービスの崩壊の影響で、ガザへの食糧およびその他の必需品の配送を停止せざるを得なくなったと伝えた。彼らは、包囲された同地域において広範囲の飢餓の可能性が高まっていると警告している。

2日目となる通信網の遮断は、ガザに住む230万人の人々を互いに、そして外界から隔離した。さらに、燃料不足のために人道支援団体がすでに苦労していた、援助物資の流通を麻痺させている。

国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)のジュリエット・トーマ報道官は、16日に支援物資を運ぶことができなかったと語った。イスラエルが燃料の追加搬入を許可する見込みはなく、この状況がいつまで続くかは不明である。

「停電が長引けば、ガザ地区での人道支援活動も長引くことになる」とトーマ氏はAPに語った。

一方イスラエル軍は、北部での作戦を急ぐ一方で、ガザ南部への攻撃を拡大する可能性を示唆している。兵士たちは、ガザ地区最大の病院であるシファ病院の地下に存在したとされるハマスの指揮センターの痕跡を探している。

彼らは病院の敷地内に存在したとされるトンネルの入口や武器を公開したが、まだ司令部の存在の証拠は示されておらず、ハマスとシファ病院のスタッフはその主張を否定している。

現在6週目に突入している戦争は、ハマスが10月7日にイスラエル南部を攻撃したことで引き起こされた。武装勢力は民間人を中心に1200人以上を殺害し、約240人の男性、女性、子どもを拘束した。

17日、軍は新たな人質の遺体を発見したと発表し、ノア・マルシアーノ伍長と確認した。マルシアーノさんの遺体は、16日に発見された最初の人質、イェフディト・ワイスさんの遺体と同様、シファ病院に隣接する建物で発見されたと軍は発表した。

パレスチナ保険省によれば、現在までに1万1470人以上のパレスチナ人が死亡しており、その3分の2は女性と未成年者だという。さらに2700人が、がれきの下に埋もれて行方不明になっていると報告されている。保険省は死者数の報告において民間人と戦闘員を区別しておらず、イスラエルは数千人の武装勢力を殺害したとしている。

援助は底をついた

WFPの中東地域報道官アベール・エテファ氏は、戦争が始まって以来、ガザは毎日必要な食糧供給の10%しか受け取っておらず、ほぼすべての住民が食糧を必要とし、脱水症状と栄養失調が拡大していると述べた。

「人々は即座に飢餓状態に陥る可能性に直面している」と彼女は16日にカイロから語った。

通信システムから浄水場、下水ポンプに至るまで、あらゆるものを動かす発電機には電力が必要な状況の中で、通信網の遮断はさらに状況を悪化させている。

イスラエルは、戦争が始まって以来、ガザへの燃料の輸送を禁止しているが、今週初め、UNRWAの燃料貯蔵庫が枯渇したため、食料を輸送するトラックを動かすために、同組織への限定的な搬入を許可した。

シファ病院の状況

シファ病院のアフマド・ムハラルティ医師は17日、アルジャジーラテレビに対し、ICUの患者に酸素を供給するための人工呼吸器を動かす電気がなく、また、清潔な水がないため、36人の乳児のほとんどがひどい下痢に苦しんでいると語った。

彼はさらに、15日に病院に突入したイスラエル軍は食料とペットボトルの水を持ってきたが、入院患者の数に対して十分ではなかったと付け加えた。

ハマスが支配するガザ地区の保健省によれば、軍隊は16日に病院の地下を捜索し、設備を管理する技術者を拘束したという。

イスラエルは、ハマスが病院の施設内や地下に司令部を設置したという主張を証明する必要に迫られている。米国は、その主張を裏付ける情報があると述べている。

これまでのところ、イスラエルは主に、兵士が病院で発見したという武器庫の写真や動画を公開している。

16日、イスラエル軍は病院の中庭に存在する、トンネルの入り口だとする穴の動画を公開した。また、中庭のピックアップトラックで発見されたという、数丁のアサルトライフルとRPG(ロケット推進手榴弾)、手榴弾、弾薬クリップを毛布の上に並べた動画も公開した。APはイスラエルの主張を独自に検証することはできなかった。

これらの主張は、ハマスがガザ地域全体でパレスチナ人を人間の盾として使用しているというイスラエルのより広範な非難の一部である。イスラエル当局は、これが数週間にわたる爆撃により、大規模な民間人の犠牲者数の理由であると主張している。

攻撃は南部へ

ハマスによる奇襲攻撃を受けて、イスラエルはハマス政権の排除と軍事力の粉砕を宣言、数週間にわたる空爆作戦とガザ北部への地上侵攻で対応している。

ここ数日、イスラエル軍は、ガザ住民の多くが避難している南部での作戦を拡大する可能性を示唆している。

「我々は、ガザ地区北部に存在していた軍事システムの解体に近づいている」と、イスラエル軍参謀長のヘルツル・ハレヴィ中将は16日に語った。同軍は15日の午後、ガザ地区南部の町ハーン・ユーニス近郊のパレスチナ人に避難を呼びかけるビラを投下した。

ハレヴィ氏は、北部において「完了させるべき仕事が残っている」としながらも、ハマスとの戦いではより多くの場所が標的になるだろうと述べた。

生存者によれば、ハーン・ユーニスの東にある2軒の家屋が、16日深夜か翌日未明にかけてイスラエル軍の空爆を受けたという。

APの記者は、17日の攻撃で3人が死亡し、乳幼児を含む数十人の負傷者が市内の主要病院に運び込まれるのを目撃した。16日深夜の攻撃では、ガザ市の主要戦闘地域から逃れた家族の11人が死亡し、その遺体も主要病院に運び込まれた。

ハマスが支配するガザの保健省職員であるモハメド・ザクアウト氏によれば、合計35人がハーン・ユーニスと、そこからさらに南のラファで死亡したという。

ガザの人口の大半は南部に密集しており、その中にはイスラエルが地上攻撃の邪魔にならないよう北部から避難するよう呼びかけたのに従った数十万人も含まれている。約150万人が家を追われている。

もし攻撃が南部に移った場合、エジプトが自国領土内への集団移動を拒否しているため、彼らがどこへ移動すべきかは不明だ。イスラエル軍は、地中海沿岸の数平方キロメートルの町マワシにある「安全地帯」に移動するよう呼びかけている。

16日、18の国連機関と国際慈善団体の代表は安全地帯の創設に反対し、停戦と、ガザ住民のための人道援助および燃料の自由な搬入を求めた。

戦争が他地域の緊張を高め続けるなか、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区のジェニンでパレスチナ人武装集団と衝突し、少なくとも3人のパレスチナ人を殺害した。戦闘は16日遅く、イスラエル軍の襲撃中に発生した。

イスラエル軍は5人の武装勢力が死亡したと発表し、パレスチナ保健省は3人が死亡したと発表した。過激派組織「イスラム聖戦」は、死亡した3人を同組織のメンバーであると主張し、1人を同地区の司令官だと特定した。

AP

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