
カイロ: 少し前、エジプトの首都カイロでは、まだ夕方のうちに客のいないマクドナルドの店内で従業員がテーブルを片付けていた。他の欧米系ファストフードチェーンのカイロ支店も閑散としているようだった。
どこもイスラエルによるガザ地区への軍事侵攻に抗議するボイコット運動の打撃を受けている。
欧米のブランドはエジプトとヨルダンで影響を受けており、クウェートやモロッコなどの他のアラブ諸国にも運動が拡大する恐れがある。
標的にされた企業には、親イスラエル的とみなされた企業や、イスラエルと経済的つながりがある、あるいはイスラエルに投資しているとみなされた企業である。
不買運動が広がり始めると、ソーシャルメディア上でボイコットの呼びかけが広がり、数十の企業や製品のリストが拡散された。消費者は地元の代替製品にシフトするよう推奨されている。
エジプトでは治安上の厳しい規制があり、街頭で抗議活動をすることがほとんどできないが、ボイコットを素晴らしいと考える人やそれが自分たちの声を届ける唯一の方法だと考える人もいる。
カイロ在住で米国のファストフードチェーンと掃除用品をボイコット中のリハン・ハメドさん(31)は「たとえこれが戦争に大きな影響を与えないとわかっていても、さまざまな国の市民として最低限のことはしたいと思います。そうすれば自分たちの手が血にまみれていると感じずに済みますから」と述べた。
ヨルダンでは、ボイコット賛成派の住民がマクドナルドやスターバックスの支店に入り、客を脅して他の店に行かせることもある。
視聴者がボイコットを推奨されている有名な洗剤ブランドでイスラエル兵らしき人たちが衣服を洗う動画が拡散されている。
ヨルダンの首都アンマンで、欧米ブランドの代わりとして消費者に選ばれている大型スーパーでレジを担当するアハマド・アル・ザロ氏は「このような製品は誰も購入しません」と述べた。
クウェート市にあるスターバックス、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキンの7つの支店をまわると、客はほとんどいなかった。あるスターバックスの従業員は、他の米国のブランドも影響を受けていると述べた。
ロイター