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法人税導入がUAEの競争力に影響を与える可能性は低い、とドバイ・DMCCのCEOが語る

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14 Feb 2022 12:02:30 GMT9
14 Feb 2022 12:02:30 GMT9
  • アフマド・ビン・スライエム氏が、2023年導入予定の法人税が、UAEの低税率の評判に与える影響を考察する
  • 同氏はビデオ対談シリーズの中で、世界的な取引拠点としてリヤドとの競争が激化することを歓迎した

フランク・ケイン

ドバイ:ドバイの主要な商品取引所の責任者がアラブニュースに語ったところによると、UAEで導入予定の法人税が、国内のフリーゾーンの競争力に影響を与える可能性は低いという。

ドバイ・マルチ・コモディティ・センター(DMCC)のアフマド・ビン・スライエム会長件CEOは次のように述べている。「私が受けたフィードバックは……(法人税は)フリーゾーンには適用されないということです。国内に重点を置いている企業で、ビジネス上の意味があれば、ここに留まることに価値を見出すところもあるでしょう」

たとえ来年から法人税が導入され、企業の利益の9%が課税されることになったとしても、UAEは他の低税率国と比較して有利な立場にあり、国際的なビジネスを誘致し続けることができるという。「それでもUAEの法人税はアイルランドよりも低く、アイルランドはAppleにとって良い場所だと聞いています」

一流の政策立案者やビジネスパーソンが今日の大きな問題について語るビデオ対談シリーズ「フランクリー・スピーキング」の幅広いインタビューの中で同氏は語った。

スライエム会長は、DMCCをコーヒーや金、暗号通貨など、あらゆる商品の取引を行う地域有数のコモディティハブに成長させた功労者である。サウジアラビアの首都が湾岸地域における圧倒的な金融・商業ハブになることを目指して加速している中、リヤドとの競争が激化するだろうと語っている。

法人税導入は、UAEの長期的な開発戦略の一環であると彼は言う。「これはUAEの発展の一部であり、インフラプロジェクトの一つです。UAEはアラブ諸国で初めて博覧会を開催したこともあり、今後もさまざまな取り組みを期待しています」

「すべてが発表されているわけではありません。しかし、UAEのアブダビ、ドバイ……これらの都市は、今私たちが目にしているものよりも、多くのものを提供しようとしていると信じています。UAEのリーダーたちは、今は目標の半分にも到達しておらず、もっとたくさんのものを提供したいと考えています。彼らは、第2世代、第3世代、第4世代を視野に入れているのでしょう」

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スライエム氏は、リヤドとの競争が激化することを歓迎している。

「私はサウジアラビアを、コーヒーの生産国としても見ています。彼らはイエメンとの国境に農場を持っています。宝石にも力を入れています。様々な視点から、サウジアラビアを見ているのです」

「サウジアラビアが自分たちの計画、例えばNEOMプロジェクトをアピールしたいとき、その場はダボス会議やニューヨークだけではありません。ドバイでもNEOMの看板を見かけます。両国が補完関係になっている面もあるのです」

彼は、このような動きをチャンスと捉えており、次のように語った。「個人的には、競合する相手がいるからこそ、質の高いものが生まれるという面で、とても気に入っています。競争は、私にとっては楽しい挑戦です」。彼は、サウジアラビア産のコーヒーをドバイで加工・販売することに興味を示している。

スライエム氏は最近掲載された、ブルームバーグによるドバイへの批判記事について取り上げた。主要な金取引センターとしてのドバイの役割が、アフリカからの金の密輸に加担していると非難されているのだ。

「彼らはナイジェリアの鉱山大臣の発言を引用しました。しかし……私はこれを、文脈を無視したものだと考えています。会話の全体像ではありません」

「同じ大臣が、彼らはデータが無く、苦労していると言っています。鉱山施設も弱いものです。つまり、これらが解決されない限り、発言をそのまま受け止めることはできないと思うのです」

「また、私はナイジェリアの鉱山大臣にDMCCへの招待状を送りました。ドバイに来てもらい、ドバイがどのようにビジネスを処理しているか、ドバイの体制を見てもらいたいと思っています」

DMCCでは現在、3つの金精錬所が稼働しており、2022年末までにさらに2つの精錬所の開設が計画されている。UAEは世界の金取引の25%を占めているとスライエム氏は推定する。

同氏は、アフリカ諸国の政府や国際的な旅行機関も、金の密輸に対してより効果的な対策を講じることができると述べている。特に、金のインゴットを「手荷物として機内に持ち込む」という形態の金の密輸に関する対策である。

「金が密輸されている、という懸念に立ち返ってみましょう。アフリカではガーナとエチオピアの2カ国がこの問題に取り組んでいます。彼らは金を直接、採掘者から購入しています。エチオピアでは、市場価格よりも高い適正な価格で金を購入し、そのままスイスに輸送して精錬しています。これが、彼らのソリューションです」

「ガーナも同様のコンセプトを持っています。他のアフリカ諸国は、これらの国から学ぶことができるでしょう。その余裕がないのであれば、私と一緒に『金の機内持ち込み』を阻止するためのウェビナーに参加しても良いでしょう。ウェビナーは今、3回目か4回目だったと思います。IATA(国際航空運送協会)がそれに参加しています。国際航空運送協会(IATA)も参加しています。ワールド・ゴールド・カウンシルにも参加してもらうつもりです」

「つまり、水のボトルを機内に持ち込むことを禁止できるなら、金の『機内持ち込み』も禁止できるということです。密輸を助長する理由はありません」

DMCCのもうひとつの大きな成長要因は、国際的なダイヤモンドビジネスである。ドバイは、DMMCで取引される一部の宝石の原産地に関する論争を乗り越えながら、世界最大のダイヤモンド取引センターであるアントワープに挑んでいる。

「数週間後には、ドバイでワールド・ゴールド・カウンシルの会議が開催される予定です。また、国際ダイヤモンド製造業者協会(IDMA)の会議も行われます。

「UAEの歴史の中で最も重要なジュエリーショーも開催されます。インフォーマ社や、イタリアのジュエリーメーカーが出展します。また、『ドバイ・ダイヤモンド・カンファレンス』では、すべてのスポンサー、すべての貢献者、すべての関係者が参加します」

論争については、次のように述べている。「私は、それは多かれ少なかれ歴史に起因するものだと考えています。あちこちでコメントが見られますが、ドバイの信頼性を攻撃するものではありませんでした。どちらかというと、市場全体を取り巻く状況への意見です。しかし、私たちはとても速く成長しています」

スライエム氏は、コーヒーや紅茶の取引で成功しているDMCCのベンチャー企業に対し、新商品としてサフラン、ハチミツ、食用油などの他の商品を導入する大きな計画を持っている。(AFP)

スライエム氏は、コーヒーや紅茶の取引で成功している、DMCCと取引があるベンチャー企業に対し、新商品としてサフラン、ハチミツ、食用油などの他の商品を紹介する大きな計画を持っている。

「他にも、ピスタチオ、カシューナッツ、アーモンドなどのナッツ類を紹介したいと考えています」

「チリ、ブラックペッパー……ハラール肉やコーシャ肉も忘れてはいけません。これらは、たとえ他の誰かが、UAE国内で独自のプロジェクトを立ち上げたとしても、すぐに実現する可能性があるでしょう。いずれ何かを提供できることを期待してください」

暗号通貨については、DMCCは最近、リヒテンシュタインを拠点とするブロックチェーンベンチャー企業「CV Labs」と提携して、独自の仮想通貨取引所を立ち上げた。

スライエム氏はその将来性を高く評価しているが、それには規制の枠組みが前提であると述べる。

「暗号の世界、そしてCV Labsとのパートナーシップは、この業界に新たな場、新たな次元を提供しています。提携前には、私たちは自己勘定取引のためのライセンスを開放しました。私たちは、規制の枠組みがない中で他人のお金を扱うビジネスには懸念を抱いています」

「そのため、中央銀行の準備が整い、規制当局がそれを許可する準備が整ったときに、我々は拡大するでしょう。CV LabsとDMCC仮想通貨取引所は、より厳格な規制を歓迎しています」

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