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生産量の減少にもかかわらず、サウジアラムコは依然として最も利益を上げている石油企業

COVID-19パンデミック中に世界が直面してきたあらゆる難題にもかかわらず、アラムコはあらゆる面で抜きん出た業績を達成してきた。(AFP資料写真)
COVID-19パンデミック中に世界が直面してきたあらゆる難題にもかかわらず、アラムコはあらゆる面で抜きん出た業績を達成してきた。(AFP資料写真)
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12 May 2021 06:05:57 GMT9
12 May 2021 06:05:57 GMT9

OPEC+の減産に加え、サウジアラビアの自主的な100万バレル/日(bpd)の追加減産により、王国の2月と3月の原油生産量は約800万bpd(2008年以来の最低水準)に減少したにもかかわらず、サウジアラムコは今年第1四半期(Q1)において世界で最も利益を上げている石油会社のままだった。その利益は、国際石油企業(IOC)大手5社の合算を上回った。

石油企業が2021年Q1において石油価格と精製マージンの上昇から恩恵を受けたことは確かだが、同期のアラムコの純利益は217億ドルだった一方で、IOC大手5社(エクソンモービル、シェブロン、シェル、BP、トタル)の純利益は合算しても178億ドルだった。

また、アラムコは188億ドルの高い現金配当の実現に成功したが、IOC大手5社の比較対象となる数字は合わせて108億ドルだった。

2018年および2019年度の決算を振り返ってみても、アラムコは最も利益を上げており、他の主要IOCを合算したものよりも高い収益を達成している。

昨年の決算では、巨額の損失を記録した全てのIOCとは異なり、アラムコの純収入は2019年の882億ドルに対して490.7億ドルに達した。

課題に直面した際の運用の柔軟性と財務の俊敏性によるアラムコの回復力により、同社の投資家は安全な状態に置かれており、顧客は危機の最中であっても最も信頼できる量の石油を享受している

ファイサル・フェイク

コロナウィルス伝染病(COVID-19)パンデミックが石油需要に影響を与えたため純収入は減少したものの、それでも2020年を通した石油価格の低迷と需要の急激な変動を考慮すれば、予想を上回るものだった。昨年のブレント原油の平均価格は、2019年の64ドル/バレルに対し42ドル/バレルに終わっており、同社の並ぶものがない柔軟性を強調している。

COVID-19パンデミック中に世界が直面してきたあらゆる課題にもかかわらず、アラムコはあらゆる面で抜きん出た業績を達成してきた。

2020年にIOCが作った大きな損失は、今後の主要エネルギーインフラへの投資にとって良い兆しではない。彼らは経営や探査全体を通して支出を大幅に削減しようとしているからだ。

しかしながら、これはアラムコには当てはまらない。同社は価格の低迷にもかかわらず主要なエネルギーインフラを維持しているからだ。このことは、唯一の供給調整生産国であり最も信頼できる石油輸出国としてのサウジアラビアの主要な役割を強調している。

課題に直面した際の運用の柔軟性と財務の俊敏性によるアラムコの回復力により、同社の投資家は安全な状態に置かれており、顧客は危機の最中であっても最も信頼できる量の石油を享受している。

この運用の柔軟性は実にユニークなものであり、世界最大の石油企業が状況に応じて生産量を素早く増減させることを可能にしている。

そのような運用の柔軟性が明らかだったのは、サウジアラムコが生産量を歴史的な高水準だった2020年4月の1,230万bpdから、6月までのわずか2ヶ月間で約750万bpdまで素早く削減した時だった。一方で、他の大手生産国はたった200,000bpdを調整するのにもっと長い期間を要した。

  • ファイサル・フェイクはエネルギー・石油市場アドバイザーであり、以前はOPECやサウジアラムコで働いていた:@faisalfaeq
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