



ハーンユーニス(パレスチナ):2日、イスラエル側の交渉担当者がカタールでの停戦交渉から退いたのとほぼ同時刻に、イスラエルの戦闘機がドーハの出資で開発されたガザ地区の高級住宅街を空爆した。
ハマドシティ住宅街の名は、カタールの前首長シェイク・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニ殿下からとられている。
2016年に始まったこのプロジェクトは、現在でもガザ地区の最新プロジェクトのひとつで、ハーンユーニスのこの住宅コンプレックスは、印象的なモスク、店舗、庭園などを誇る。
最初の住宅群(1000戸以上)は、2年前のイスラエルとハマスの戦争で家を破壊されたパレスチナ人たちに提供された。
カタールが仲介したイスラエルとハマスの停戦が終了した翌日の2日、それは再び起きた。
まず正午ごろ、「即時」避難を命じるイスラエル軍からのSMSが携帯電話に届き、このシステムの目的は民間人の犠牲を最小限に抑えることだと書かれていた。
約1時間後、たった2分の間に、イスラエル軍による5回の空爆が住宅街に降り注いだ。
住宅のブロックがひとつひとつ爆撃されてゆき、大部分が瓦礫と化した。黒煙が空へと立ち上り、人々は逃げ惑い、「助けて!」「救急車!」と叫んでいた。
26歳のナダー・アブ・ワルダさんはAFP通信に、「とりあえず、生き延びられました」と語った。
イスラエル軍はガザ地区を2300の「ブロック」に分割し、「ハマス撲滅」のための攻撃が行われる前に立ち去るよう、住民にSMSメッセージを送っている。
イスラエル当局によれば、10月7日のイスラム主義運動によるイスラエル南部への攻撃で、民間人を中心に約1200人が死亡し、約240人が人質となったという。
ハマス主導のガザ地区政府によれば、イスラエル軍の作戦が8週間前に開始されて以来、1万5000人以上が死亡し、その大半が民間人だという。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、警告メッセージは受信者がどこに逃げるべきかを示していない、という点を強調している。
40代の公務員であるイブラヒム・アル・ジャマルさんは、「インターネットも、電気も、情報を受信するラジオさえも」持っておらず、ブロックを分割した「地図を見たことがない」と語った。
「ガザの多くの人々は地図について聞いたことなどありませんし、そこらじゅうが爆撃されるので、どのみち関係がありません」と彼は言う。
人道支援団体によれば、ガザで最も弱い立場にあるのは推定170万人の避難民だ。
その多くが電話を持たず、飛行機から投下される警告ビラに頼らざるを得ないが、それらは住宅の中からは見えない。
ガザ地区の民間防衛緊急救援組織によると、ここ数週間で、「数百世帯の避難民」がハマドシティの3,000戸の住宅に避難していた。
すでにガザから避難してここに来た21歳のモハメド・フォウラさんはAFP通信に、空爆の30分前に他の住民から逃げるよう警告されたと語った。
人々が、「逃げろ、逃げろ」と叫びながら、家族で荷物を車に積み込んだり、大きな束にして運んだりしていた、と彼は言う。
ナダル・アブ・ワルダさんは、戦争が始まったときにガザ市に近いジャバリアから逃げてきたが、もはやどこへ行けばよいかも、何をすればよいかも、分からないという。
ナダルさんと妻、3人の子どもたちは、ハマドシティ住宅コンプレックスの友人宅に滞在していた。
「人々は『ガザ市は戦場だ』と言っていました。今はハーンユーニスです」と彼は言う。「昨日は『ハーンユーニスの東側から避難しろ』と言い、今日は『西側から避難しろ』です」。明らかに激昂した様子で、付け加えた。
「どこへ行けばいいんですか。海に入ればいいんですか?子どもたちをどこに寝かせればいいんですか?」
AFP