• パレスチナの保健省は休戦合意の期限が切れた1日以降、ガザでは316人が死亡したと発表した。

ガザ: ガザ南部のナセル病院では、生気のない弟の体を抱きかかえて廊下にいた若者が傍を走り過ぎようとする医師をとらえようと手を伸ばした。

「兄弟！」若者は叫び、泣きながら床を叩いた。周囲には負傷者の治療を求める者や愛する者の死を嘆き悲しむ者が大勢いた。12月3日、戦闘が再開しイスラエルが再び砲撃を開始してから3日目だ。

住民によれば、この病院はイスラエルによる特に激しい攻撃にさらされている南部の都市、ハーン・ユーニスで稼働している数少ない病院の1つだ。ハマスとの休戦合意の決裂を受けて、イスラエルは1日に攻撃を再開した。

嘆く人々の間を医師たちは遺体と血の海をまたいで、次の患者の元へと急いでいた。正面のドアからは放心し、時には意識を失った子どもたちを近親者たちが続々と運び込んでいた。

ロイターが撮影した映像は治療が必要な十数人ほどの若者の姿を捉えており、そのうちの幾人かは重症のようだった。

国連および支援団体の発表によれば、紛争開始以降、数十人の医師が死亡しており、病院や医療機関では発電用燃料を含む基本物資も不足している。

ガザの保健省によれば、紛争開始以降、ガザでは1万5,500人余りの死亡が確認されている。

捕虜および人質の交換に関する交渉の決裂後、休戦合意の期限が切れた1日以降、ガザでは316人が死亡したと、3日、パレスチナの保健省が発表した。

イスラエルは3日の空爆に関する報道に対して、直接のコメントは発表していない。

イスラエル軍は先にパレスチナ人に対し、ハーン・ユーニスおよび周辺のいくつかの地域からの退避命令を出し、退避先のシェルターを指示した地図を提示した。

しかし住民によれば、退避先として指示された地域自体が攻撃にさらされている。

ナセル病院にいた1人の男性はロイターの取材に対し、空爆で同市にあった家が攻撃され、負傷した少年を抱えて病院に向かったが、その途中で少年は彼の腕の中で死んでしまったと語った。

親族はハーン・ユーニス市内に集まり葬儀を行った。

アクラム エル ラカブという男性は息子を姉妹や甥とともに埋葬したと語っていた。

ロイター