• 人道的大惨事は「パレスチナ人全体と地域の平和と安全にとって、取り返しのつかない事態を招く可能性がある
• WFP： 敵対行為の再開は、すでに市民を圧倒しかねない壊滅的な飢餓危機を激化させるだけだ

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク：国連事務総長は、憲法上の劇的な動きとして、国連憲章が事務総長に与えている数少ない権限のひとつを行使し、安全保障理事会に対し、「パレスチナ人全体と地域の平和と安全にとって取り返しのつかない事態を招きかねない」ガザの人道的大惨事を回避するため、停戦を宣言するよう求めた。

そして、そのような事態は ”何としても “避けるべきだ”と警告した。アラブニュースが見た安保理への書簡の中で、グテーレス事務総長は国連憲章第99条を持ち出した。同条には、事務総長の意見として、”国際の平和と安全の維持を脅かす可能性のあるいかなる問題についても、安保理の注意を喚起することができる “とある。

ステファン・デュジャリック国連報道官によれば、2017年の就任以来、グテーレス氏がこの条文を発動せざるを得ないと感じたのはこれが初めてだという。

グテーレス氏は書簡の中で、8週間以上にわたる戦闘が 「イスラエルと被占領パレスチナ地域全体に、ひどい人的被害、物理的破壊、集団的外傷をもたらした 」と述べた。

イスラエルの軍事作戦が始まって以来、15,000人以上が死亡したと報告されており、その40％以上が子どもたちである。その他にも数千人が負傷している。家屋の半数以上が破壊された。

同氏はこう述べた 「人口220万人のうち約80％が強制的に避難させられ、ますます狭い地域に押し込められています。110万人以上がガザ全域のUNRWA施設に避難し、過密で、尊厳の欠けた、不衛生な状況を作り出している。また、避難する場所がなく、路上にいる人々もいる」

グテーレス氏はまた、「ガザの医療システムは崩壊しつつある。病院は戦場と化している。ガザに安全な場所はない」

ガザ全域で絶え間ない砲撃が続く中、”避難所や生き延びるための必需品もなく、治安はまもなく完全に崩壊するだろう ”と警告した。

グテーレス氏は、「人道的停戦の宣言」を改めて求め、こう付け加えた： 「これは緊急の課題です。一般市民がこれ以上の被害を受けないようにしなければならない」

デュジャリック報道官は、事務総長に代わってこれを「非常に力強い動き」だとし、15カ国からなる安全保障理事会が「人道的停戦を推進し、実施するよう動く」ことに期待を示した。

報道官は次のように述べた： 「すでに1万5,000人が死亡し、私たち（UNRWA）の同僚130人が死亡したと報告されている。(事務総長は）大惨事という言葉を軽々しく使いません」

アラブニュースから、ガザの窮状を表すのに最初の週から「大惨事」が使われていたにもかかわらず、グテーレス事務総長が99条を発動するのにこれほど時間がかかったのはなぜかと尋ねられたデュジャリック氏は、事務総長は「極めて明確に、関与してきた。ある意味、すべてが理路整然と行われている」

「現地の状況や、人道支援活動だけでなく市民秩序が完全に崩壊する危険性を考えると、事務総長は今すぐ実行する必要があると考えたのだ」

一方、世界食糧計画は、「ガザでの敵対行為の再開は、すでに市民を押しつぶしかねない破滅的な飢餓危機を激化させるだけだ」と警鐘を鳴らした。

国連機関は声明の中でこう述べている： 「新たな戦闘は、援助物資の分配をほとんど不可能にし、人道支援活動家の命を危険にさらす」

アラブ首長国連邦（UAE）とロシアは、「現地の悪化する状況に鑑み、また本日の事務総長による緊急人道的停戦の呼びかけに鑑み」、金曜日に安保理を開催するよう要請した。

両理事国は、「ガザにおける敵対行為の再開と、イスラエルが発表した計画と国際人道法上の義務との矛盾」に焦点を当てた協議を望んでいると述べた。