• 先週、7日間の休戦が終わる直前にラザリーニ事務局長がガザを訪れたとき、避難所はすでに同地区の北半分の激しい戦闘から逃れてきた人々であふれかえっていたという。

ベイルート：国連パレスチナ難民救済機関（UNRWA）のトップは6日、包囲されたガザには、国連の避難所やイスラエルが指定した「安全地帯」でさえも、市民にとって安全な場所はない、とAP通信に語った。

UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長はAP通信とのインタビューで、イスラエルとハマスの戦争が始まって以来、ガザ地区の80以上の国連施設が被害を受けていると述べた。

ハマスが主導した10月7日のイスラエル南部への侵攻では、武装勢力は民間人を中心に約1200人を殺害し、約240人の男性、女性、子どもを捕虜にした。イスラエルは空爆と地上攻撃でこれに応戦し、ハマスが運営するガザの保健省によれば、これまでに1万6200人以上が死亡しており、その大部分は女性と子供だという。同保健省は死亡者数の公表において、民間人と戦闘員の区別はしていない。

ラザリーニ氏によると、ガザで「直接的または間接的に」攻撃された国連施設には、民間人を避難させていた場所も含まれているという。UNRWAは、このような攻撃で220人以上のパレスチナ人が死亡し、130人の職員も戦争で命を落としたと発表した。

「ガザ地区に安全な場所はまったく存在しない」とラザリーニ氏はベイルートでAP通信に語った。

紛争が続く中、これらの攻撃の状況を調査することは困難だが、「国連施設であることを露骨に無視した行動に関しては……将来、独立した調査が必要になるだろう」と述べた。

イスラエル当局は、国連施設は標的にしていないと述べているが、ハマスが軍事活動の隠れ蓑として国連施設を利用していると非難もしている。

国連によれば、ガザの人口の80％以上にあたる約187万人のパレスチナ人が、自宅から避難しているという。国連が運営する避難所には、現在100万人以上の避難民が「完全に過密で、ひどい衛生状態」の中で暮らしているとラザリーニ氏は述べた。

先週、7日間の休戦が終わる直前に彼がガザを訪れたとき、避難所はすでに同地区の北半分の激しい戦闘から逃れてきた人々であふれかえっていたという。 イスラエルの地上攻勢が南部に押し寄せるにつれ、市民はエジプトとの閉鎖された国境沿いの、さらに狭い地域に追いやられている

ラザリーニ氏によると、UNRWAはガザ全域に広がる学校のネットワークを含め、既存の避難所の状況を改善することに注力しているという。

「必ずしも安全とは限らない場所に人々を移動させたくない。同時に、既存の避難所には100万人以上の人々がいて、ひどい状況で暮らしている」と彼は述べた。

イスラエル軍報道官リチャード・ヘクト中佐は今週初め、UNRWAに適切な施設を設置するよう「圧力をかけるべきだ」と主張した。イスラエルは、そのような大勢の避難民を収容する方法についてはこれまでに一度も説明していない。

ラザリーニ氏は、新たな休戦と、援助や商業物資がガザに入るための境界検問所の開放を求めた。現在、支援物資はエジプトからラファ検問所を経由してしかガザに入ることができず、これが深刻なボトルネックとなっている。

同難民機関とイスラエル当局との関係は過去においてしばしば敵対的であった。イスラエルの右派政治家たちは、1948年のイスラエル建国後、避難し、あるいは強制的に故郷を追われた何十万人ものパレスチナ人のために設立されたUNRWAが、イスラエルとパレスチナの紛争を永続化させる手助けをしていると非難している。

UNRWAはこのような主張に対し、脆弱な人々に奉仕するという任務を遂行しているだけだと反発している。

ラザリーニ氏は、現在のイスラエルとハマスの戦争において、UNRWAはイスラエル当局と「絶えず調整を行っている」と述べた。彼は、同機関は戦後に同地域を統治するどのような機関に対しても、学校の再開を含め、停止しているサービスの回復を支援する準備ができていると語った。

ラザリーニ氏は、この壊滅的な紛争が、UNRWAをもはや必要としないような解決策につながる政治プロセスを引き起こすことを願っている、と付け加えた。

「この問題が地域と国際社会の最優先事項となり、最も長く続く未解決の紛争に敢然と対処することにつながるのだろうか」と彼は尋ねた。「もしそうであれば、この地域の人々にとっての、希望の軌道を描くことができる。実際、UNRWAの将来はそれに大きく依存するだろう」

AP