
ガザ地区:ハマスに対する全面的な攻撃において、親密な同盟国であるアメリカがさらなる自制を促したことを受け、イスラエルは15日、ガザ支援の通行を再開した。
民間人を救うためのさらなる努力を求める圧力を受けて、イスラエルは、ケレム・シャローム国境検問所経由でガザに直接支援物資を届けることを許可する「一時的措置」を承認した、と首相府は述べた。
エジプトのラファ交差点がガザ地区内での大規模なニーズへの対応に苦戦するなか、イスラエルは支援機関や西側の同盟国から、ケレム・シャローム検問所を再開するよう数週間にわたって圧力をかけられていた。国連の数字によれば、ガザの人口240万人のうち190万人が避難を余儀なくされている。
この戦争は、ハマスが10月7日にイスラエルに対して前例のない襲撃を行い、イスラエル当局によれば、民間人を中心に約1200人が死亡したことから始まった。
ハマスの壊滅と、武装勢力にガザへと拉致された推定250人の人質を連れ戻すことを誓ったイスラエルは、大規模な攻撃を開始し、包囲されたガザ地区の大部分を廃墟にした。
ハマス政府によれば、この戦争で少なくとも18,800人が死亡し、そのほとんどが女性と子供だという。
激しい戦闘は15日も続き、ハマスは南部の街、ハーン・ユーニスでイスラエル兵がいた家を爆破したと主張した。
イスラエルとヨルダン川西岸地区への訪問を終えとうとしていたジェイク・サリバン米国家安全保障問題担当大統領補佐官は、この決定を 「重要な一歩」と呼んだ。
「ジョー・バイデン大統領は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相との最近の電話会談でこの問題を提起し、2日間の私のイスラエル訪問中、この問題は重要な議題となった」と同氏は述べた。
アメリカは、「この新たな開通によって混雑が緩和され、救命支援の提供が容易になることを期待している」とサリバン氏は付け加えた。
世界保健機関(WHO)の代表は、この発表は 「非常に良いニュースだ 」と述べた。
国連によると、支援物資の配給は、ラファ地域の限定的なものを除き、ガザの大部分でほぼ停止していた。
衛星ニュースチャンネル「アルジャジーラ」は、ハーン・ユーニスで同局のジャーナリストの1人が死亡、もう1人が「イスラエルのミサイル攻撃による破片」で負傷したと報じた。
ジャーナリスト保護委員会によれば、イスラエルとハマスの戦争が始まって以来、60人以上のジャーナリストやメディアスタッフが死亡している。
イスラエルに数十億ドルの軍事支援を提供しているアメリカは、ハマスの攻撃に対する反撃を強く支持しているが、民間人の死傷者やガザの長期的な計画については懸念を強めている。
「イスラエルにとって、長期的にガザを再占領することが理にかなっているとは思えないし、正しいことだとも思えない」とサリヴァン氏はイスラエルの指導者たちとの会談後に述べた。
バイデン大統領はワシントンで、ガザの民間人の保護強化を改めて求めた。
「民間人の命をどう救うかに集中してほしい。ハマスへの攻撃をやめるのではなく、より慎重になってほしい」とバイデン大統領は語った。
サリバン氏はまた、ヨルダン川西岸地区を訪れ、パレスチナのアッバース大統領と会談した。アッバース大統領は、ガザはパレスチナ国家の「不可欠な一部」であり続けなければならないと述べた。
アッバース大統領が率いるパレスチナ自治政府は、イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸地区を部分的に行政支配しているが、パレスチナ人からは非常に不人気で、戦争によってさらに弱体化している。
しかし、アメリカ政府は、イスラエルとパレスチナの紛争に対する二国家解決の新たな推進の一環として、パレスチナ自治政府が復活した形でガザの統治を再開できることを依然期待している。
複数の西側諸国政府は共同声明を発表し、イスラエルに対し、ヨルダン川西岸地区での「イスラエル人入植者による前例のない暴力を止めるための具体的な措置をとるように」と要求した。
過激派入植者による攻撃で、10月初旬以降、パレスチナ人8人が殺害され、83人が負傷したと西側諸国政府は述べた。
イスラエルの警察は、併合された東エルサレムで祈りを捧げるパレスチナ人の写真を撮ろうとしたトルコのアナドル通信社の記者に激しい暴行を加えたとして警察官数人を停職処分にしたと発表した。
さらに南、エジプト国境に近いラファでは、パレスチナ人の一群が懐中電灯を使って、イスラエル軍の空爆を受けた建物の瓦礫の中から生存者を探していた。
「ここは住宅街で、ご覧のように女性や子供たちが住んでいます」「過激派の活動とは何の関係もない住宅街に3発のミサイルが撃ち込まれたのです」と住民のアブ・オマールさんは語った。
AFP