エルサレム:イスラエルとハマスの戦争が100日目を迎える中、ハマスは14日にガザで拘束している人質のイスラエル人3名を映した動画を公開した。その中で彼らは、パレスチナのイスラム主義組織ハマスへの攻撃をやめ、人質の解放を実現するようイスラエル政府に求めている。
ノア・アルガマニ氏(26)、ヨッシ・シャラビ氏(53)、イタイ・スヴィルスキー氏(38)が映された日付不明の37秒の映像には、最後に次のようなテロップが付されていた。「我々は明日、彼らの運命について知らせるつもりだ」
先立ってハマスは14日に、イスラエル軍がガザに砲撃を行う中で、人質の一部が消息不明となっているとして、砲撃の過程で人質が死亡した可能性があると述べた。ハマスはまた、戦争開始当初、イスラエル軍の攻撃への報復として人質を処刑すると脅してもいた。
通常イスラエルの関係者は人質に関するハマスの公開メッセージへの返答を避け、これを心理戦だとしてきた。イスラエル保健省の法医学関係者であるハガル・ミズラヒ氏は、12月31日に地元テレビ局に対し、遺体が回収された死亡した人質の検死では、空爆で死亡したというハマスの説明と矛盾する死因が明らかになったと語った。
しかし、イスラエルは攻撃がもたらす人質へのリスクを認識し、予防措置を講じていると明言してもいる。
「この軍事作戦には時間がかかる。精密に行わなくてはならず、我々は脅威と現地にいる人質について勘案して作戦を調整している」と、軍の主席報道官であるダニエル・ハガリ海軍少将は14日に述べた。
戦争のきっかけとなった、10月7日のハマスによる越境しての大量虐殺の際に捕らえられた約240人のうち、およそ半数が11月の停戦で解放された。イスラエルによると、132人がいまだガザに残されており、うち25人は拘束中に死亡した。
人質問題は自国史上最悪の攻撃に動揺するイスラエル国民の関心を集めてきた。一部の人質の親類は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に新たな停戦や、戦争の中止までも求めている。ネタニヤフ氏はハマスが壊滅するまで戦い続けると誓っており、それにより人質の解放が可能となると主張した。
先月、ネタニヤフ氏は議会において、母親のリオラ氏が中国人であるアルガマニ氏の解放に向けた支援を中国政府に要請したと述べた。末期疾患をわずらうリオラ・アルガマニ氏は、死ぬ前に娘と再会したいと懇願している。
ロイター