
カイロ:エジプトは、自国領土が弾薬や武器のガザ地区への密輸に利用されているというイスラエルの主張を否定した。
エジプト国家情報局のディア・ラシュワン局長は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が主導する、イスラエル高官によるいくつかの発言には、爆発物や武器が国境のトンネルを通じてエジプトからガザに届けられているという主張が含まれると述べた。
同氏は、シナイ地域および国境での、安全と安定の実現を目指すエジプトの10年にわたる取り組みが「これらの主張が虚偽であることを裏付けている」と述べた。
ラシュワン氏は加えて次のように述べた。「イスラエルはガザ地区を軍事的に支配し、最も現代的で正確な偵察・監視手段を有する国家であり、その軍隊、入植地、海軍がガザの小さな領土を3方面から取り囲んでいる」
「援助および物資を積んでラファ検問所のエジプト側からガザ地区に入るトラックによって密輸活動が行われているという主張はばかげたものだ。何故なら、この検問所からガザ地区に入る全てのトラックは、イスラエル当局が運営するケレム・シャローム検問所を最初に通らなくてはならず、当局は同地区に入る全トラックを検査しているからだ」
この主張によって、イスラエルは「17年間にわたって実践してきた、ガザ地区内の200万人以上のパレスチナ人に対する集団的懲罰、殺害、飢餓のプロセスを継続することを正当化しようと」目論んでいると、同氏は述べた。
「イスラエルはこれらの嘘を継続して広めることで、エジプト国境沿いのガザ地区内のフィラデルフィ・ルートやサラ・アルディン・ルートを、イスラエルとエジプトの間で取り交わされた安全保障に関する合意および協定に違反して占領しようとする企てに正当性をもたらそうとしている」
「このルートをイスラエルが再占領することは、エジプトとイスラエルの関係にとって深刻な脅威となる」と、ラシュワン氏は述べた。
「エジプトは、国際公約を尊重し、自国の利益と主権を守ることができる・・・これらを、地域を紛争と不安定な状態に引き込もうとする過激派のイスラエル指導者グループの手に委ねて、危険にさらすつもりはない」
ラシュワン氏はイスラエル政府に、ガザに密輸された武器の供給源を特定するために自国の国家機構を調査するよう求めた。
「M16ライフルや各種RPG(ロケット推進式擲弾)のような、現在ガザにある多くの武器は、軍需品製造の資材と同様に、イスラエルから密輸されたものだ」と、同氏は述べた。
パエスチナの抵抗運動へのエジプトの支援は「まったく疑う余地のない、確実で実際的なものであり、1967年の境界線に基づき、東エルサレムを首都とする独立国家へのパレスチナの人々の権利に対する支援に関わるエジプトの公式な姿勢に沿うものだ」と、ラシュワン氏は加えて述べた。
イスラエルの「虚偽の」主張は、ガザの危機を解決しようとするエジプトの取り組みを害するものだと、同氏は語った。
ラシュワン氏は、歴代イスラエル政府の政策は、パレスチナ問題の平和的解決の見込みをほぼ消滅させ、パレスチナ人の間での分断を促進してきたとも述べた。
「15年以上にわたってのこれらの政策は、パレスチナ自治政府を弱体化させ、2国家解決に向けた交渉開始の拒否を正当化することを目的として、パレスチナの分断を深め、ガザのヨルダン川西岸地区からの分離状態を確保しようとするネタニヤフ氏の戦略の一環だ」