
バグダッド:当局は26日、イラク最大級のガス田へのドローン攻撃により、生産が一時的に中断し、北部クルディスタン地域の広範囲で大規模停電が発生したと発表した。
イラク北部のスライマーニーヤ地域で夜間に発生した、ホールモルガス田への自爆ドローン攻撃に関して、犯行声明は出されていない。
UAEに拠点を置く採掘事業者のダナ・ガスによれば、攻撃により液体ガス貯蔵タンクが破損したものの、負傷者はいなかった。
ダナ・ガスによれば、消火のため生産が一時中断されたが、すでに鎮火しており、まもなく操業再開の予定であるという。
クルディスタン地域の電力省は、攻撃により発電量が2800メガワット低下したと述べた。
在イラク米国大使のアリーナ・ロマノフスキ氏は、「真冬に数百万人を停電にさらした」と述べ、攻撃を非難した。
現地情報筋によると、攻撃直後から同地域の電力網は完全に機能を失ったという。
ダナ・ガスおよび関連会社のクレセント・ペトロリアムが参加するコンソーシアムであるパール・ペトロリアムは、ホールモルとチェムチェマルというイラクの2大ガス田の採掘権を保有する。
10月にイスラエルの対ガザ戦争が勃発して以降、イラクは連日ドローンやロケット弾による攻撃を受けている。ほとんどは米国を中心とした有志連合の部隊が駐留する基地を狙ったもので、親イラン武装勢力の強硬派であるイスラム抵抗運動が犯行声明を出している。
25日に発生した別の事象として、イラクの北部クルディスタン地域のエルビル空港付近の基地において、米軍を標的とした爆発物を積んだドローンが防空システムにより撃墜されたと、同地域のテロ対策当局は述べた。
ロイター