
サヌア(イエメン):米軍は1月27日、イエメンのフーシ派支配地域にある発射準備が整った対艦ミサイルに攻撃を加えた。その数時間前には、イランの支援を受けた反政府勢力である同派が同様の弾薬でアデン湾の英国タンカーを炎上させていた。
米英軍は、紅海の重要な貿易ルートを通過する船舶を標的とするフーシ派の能力を低下させることを目的とした共同攻撃を開始している。フーシ派は、船舶への攻撃はイスラエルがハマスと交戦するガザ地区のパレスチナ人を支援するためだと述べている。
米軍は単独でも空爆を繰り返しているが、フーシ派は攻撃を続けると宣言している。
米軍の中央軍司令部(CENTCOM)は、27日未明にフーシ派の「紅海に向け発射準備中の対艦ミサイル」に対する攻撃を行ったと発表した。
CENTCOMは「その後、我が軍は自衛のためにミサイルを攻撃し、破壊した」とソーシャルメディアXで述べた。
フーシ派のアルマシラ・テレビは、アメリカとイギリスがイエメンのホデイダ州にあるラス・イッサ港を2回空爆したと伝えた。この港はイエメンの主要な石油輸出ターミナルである。
米英両国政府は現時点で攻撃について確認していない。フーシ派も、攻撃と損害の程度について詳細を明かしていない。
その前日の夕方、フーシ派のヤヤ・サリー軍報道官は、同派が発射したミサイルが、貿易大手トラフィグラ・グループのために英国企業が運航する石油タンカー、マーリン・ルアンダ号に命中したと述べた。
「ミサイルは船を直撃し、炎上させた」とサリー氏は語った。
CENTCOMは後にこの攻撃を確認し、「大規模な火災」が発生したと述べた。
米軍艦カーニー、フランス海軍のフリゲート艦FSアルザス、インド海軍のフリゲート艦INSヴィシャカパトナムなど、他の艦船がこの船の救援に駆けつけた。
CENTCOMは27日に情報を更新し、「アメリカ、インド、フランス海軍の迅速な対応により、火災は鎮火した」と述べた。
「この攻撃による死傷者はなく、船は航行可能な状態にあり、以前の航路に復帰した」とCENTCOMは付け加え、トラフィグラ社が先に出していた声明の内容を確認した。
同社は声明の中で、「トラフィグラのために運航している他の船舶で、現在アデン湾を通過中のものはない」と述べた。
インド海軍によると、マーリン・ルアンダには22人のインド人と1人のバングラデシュ人が乗船している。
インド海軍の消火チーム10名が乗組員とともに6時間消火活動を行い、鎮火に至ったという。
CENTCOMによると、26日にフーシ派はイエメンから対艦弾道ミサイルをアデン湾の米軍艦カーニーに向けて発射した。
「ミサイルはカーニーによって撃墜された。負傷者や被害は報告されていない」
フーシ派は昨年11月に紅海を通過する船舶を標的にし始め、ガザのパレスチナ人との連帯を示すためにイスラエルとつながりのある船舶を攻撃していると主張した。
その後、フーシ派は米国と英国の権益も正当な標的と見なすと宣言している。
グラント・シャップス英国防長官は27日、フーシ派による今回の「許容できない違法な」攻撃を受けて、英政府は航行の自由を守ることに「これまでと同様に全力を」傾けていると述べた。
「紅海の航行の自由を守ることは我々の義務であり、我々はこれまでと同様にその大義にコミットしている」とシャップス氏は述べた。
米国は紅海の海運を守るための連合軍を先導している。米国防総省はこの取り組みを、紅海航路のハイウェイパトロールになぞらえている。
アメリカ政府はまた、フーシ派に外交的・経済的圧力をかけようとしており、ジョー・バイデン大統領が就任した直後は同派を「テロリスト」のリストから外していたが、先週再びテロ組織に指定した。
反イスラエル、反西欧を掲げるイランの代理人や同盟国で構成されるグループの一部であるフーシ派による攻撃は、国際海上交通の約12%を担う紅海の貿易に混乱をもたらしている。
いくつかの海運会社は紅海航路を避け、代わりに南アフリカの喜望峰を回る、より長く、より高価な航路を取っている。
海運業界はCOVID-19のパンデミック(世界的大流行)の際、サプライチェーンが寸断されたために貨物運賃が空前の水準に達して苦境に立たされたことに続き、この新たな圧力に直面している。
27日、この件とは別にフーシ派は軍服を着た戦闘員が米国とイスラエルを敵として想定した軍事訓練を行う18分間のビデオを公開した。
フーシ派の軍事宣伝部門の1つが公開したこの動画には、戦闘員が携行式ロケット弾(RPG)を使って、米国とイスラエルの国旗が飾られた建物やハンビー(高機動多目的装輪車)、戦車を攻撃する様子が映っている。
AFP