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ガザ地区南部のイスラエル対ハマス戦で、さらなるパレスチナ人が難民化

2024年1月28日、イスラエルの地上作戦によりハーン・ユーニスを逃れるパレスチナ人たち。イスラエルとハマスの間で続く紛争の中、ガザ地区南部のラファに向かって移動している。(ロイター)
2024年1月28日、イスラエルの地上作戦によりハーン・ユーニスを逃れるパレスチナ人たち。イスラエルとハマスの間で続く紛争の中、ガザ地区南部のラファに向かって移動している。(ロイター)
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29 Jan 2024 08:01:44 GMT9
29 Jan 2024 08:01:44 GMT9
  • 新たな戦闘が勃発する中、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を一時停止する決定を見直すよう、国連関係者や支援団体が各国に呼びかけた。UNRWAはガザにおいて極めて重要な資金源である。

ドーハ/ガザ地区:ガザ地区全体で戦闘が激化する中、ガザ保健省が日曜日に警告したところによると、現在イスラエルの攻撃の標的となっているガザ地区南部のハーン・ユーニスでは、医療施設が崩壊の危機に瀕しているという。

住民によると、イスラエル軍が部隊を撤退させているガザ市北部にも、イスラエルの戦闘機や戦車による砲撃が加えられているという。戦闘の音は、ガザ市近くの町ベイト・ラヒヤやジャバリアでも聞こえた。

イスラエル軍は、ハーン・ユーニスで「激しい戦闘」に従事しており、「テロリストを排除し、大量の武器を発見した」と述べる。

ハマスとイスラム聖戦の武装部隊は、ガザ地区のいくつかの地域でイスラエル軍と夜通し戦闘を繰り広げたと述べている。ハマスの武装部隊は、自らの戦闘員がハーン・ユーニスでイスラエルの戦車2台を破壊したと語った。

新たな戦闘が勃発する中、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を一時停止する決定を見直すよう、国連関係者や支援団体が各国に呼びかけた。UNRWAはガザにおいて極めて重要な資金源である。UNRWAの職員十数人が10月7日のハマスによるイスラエル攻撃に関与したというイスラエルの主張に基づき、少なくとも9か国が資金拠出を一時停止した。

ガザ保健省の広報担当であるアシュラフ・アル・キドラ氏は、過去24時間で165人のパレスチナ人が死亡し、290人が負傷したと述べ、これにより戦争開始以来、イスラエルの攻撃による死亡者の総数は26,422人になったと発表した。ハマス支配地域の当局は、戦闘員と民間人の区別なく犠牲者を数えている。

一方イスラエルは、地上攻撃で220人のイスラエル兵士を失い、ガザ地区の戦闘員を9,000人殺害したと述べており、ハマスはこの数字を否定している。

ガザ保健省関係者によると、ガザ市郊外の家屋に対する爆撃で8人が死亡したという。

日が暮れると同時に、ガザ地区中部のアル・ヌセイラット難民キャンプにある複数階建ての家がイスラエル軍の空爆に遭い、20人ものパレスチナ人が死亡したとパレスチナの保健省関係者は語った。イスラエル軍は、その報告について現在確認中だと述べた。

ガザ市西部では、イスラエル海軍の艦艇が沿岸地域に向けて砲撃を行ったと住民が証言しているが、負傷者の報告はない。ガザ地区のその他の地域では、住民の報告によるとイスラエル軍の空爆が激しくなるにつれ戦闘が激化しているという。

イスラエル当局は、ハマス武装勢力による前例のない越境攻撃で1,200人が殺害され、253人が拉致されたため、ハマスを排除することを目的に今回の戦争を開始したと述べている。

イスラエル軍はケレム・シャローム検問所の軍事封鎖を宣言した。これは右派のデモ隊や人質の家族らが、ハマスを助けるだけだと言ってガザ行きの支援物資を止めようとしたためである。

イスラエルでは、政府が人質解放のためにさらなる行動を取るよう求める抗議活動が広がっている。11月にエジプトとカタールの仲介で停戦交渉が行われて以来ほとんど進展が見られず、イスラエルとハマス間の紛争は続いている。

医療システムの機能停止

パレスチナの医療関係者や住民によると、イスラエルはハーン・ユーニスにある2つの主要な病院周辺を爆撃し続けているという。そのため、爆撃で困難に直面する人々の絶望的な呼びかけに、救助チームがなかなか応じることができないのだと述べた。

「ナセル病院とアル・アマル病院の医療システムは完全に機能停止しています」とキドラ氏は言った。

イスラエルは、病院が運営を続け、民間人の犠牲を最小限に抑えるための措置を講じていると述べている。そして、病院を含む人口密集地域で活動し、市民を人間の盾として利用しているのはハマスだと非難している。イスラエル側はこの主張を裏付ける写真や動画を公開したが、ハマス側は否定している。

パレスチナ赤新月社の声明によると、ハーン・ユーニスのアル・アマル病院では酸素供給が枯渇したため、医療チームが手術を行うことができないという。

日曜日には、さらに多くの家族がハーン・ユーニスから退避した。一部の人々は、エジプトとの国境近くにあるラファや北部のデイル・アル・バラに向かうため、未舗装の道路を進んだ。別の人々は、アル・マワシと呼ばれる地区を目指し西へ向かった。そこでは住民が狭い場所でひしめき合っているという。

「人々が限界まですし詰め状態になっています」と、4人の子供を持つ電気技師アブ・ラウフさんは語る。「人々は考える能力も感じる能力も失い、ロボットのように動いています。イスラエルがここに戦車を送り込んでくるのも時間の問題でしょう。安全な場所はありません」

リーム・アブ・タイルさんは乳児を含む3人の子供を連れて、寒さの中ハーン・ユーニスから避難してきた。

「命だけは助かりましたが、爆撃や破壊の現場から逃れることができただけで、今は寒さに震えています。爆撃で子供が死ななくても、凍死してしまうでしょう」とアブ・タイルさんは語る。

ロイター

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