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トルコ、アンカラの自爆テロを受けイラク北部のクルド系武装組織拠点を攻撃

演習「エアディフェンダー23」の際、離陸するトルコ空軍のF-16戦闘機。2023年6月9日、ドイツのヤーグにある軍用飛行場。(AFP)
演習「エアディフェンダー23」の際、離陸するトルコ空軍のF-16戦闘機。2023年6月9日、ドイツのヤーグにある軍用飛行場。(AFP)
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02 Oct 2023 01:10:14 GMT9
02 Oct 2023 01:10:14 GMT9

アンカラ、トルコ:トルコは1日、首都アンカラの政府庁舎に対する自爆テロが発生したことを受け、イラク北部のクルド系武装組織のものとみられる拠点を戦闘機で空爆した。トルコ国防省が発表した。

同省は、この空爆作戦によりクルディスタン労働者党(PKK)の洞窟、シェルター、倉庫などの拠点約20ヶ所が「破壊された」としたうえで、攻撃により多数のPKK工作員が「無力化された」と述べた。

同日のこれより早い時間、内務省の入り口付近で爆発装置による自爆テロが発生し、警察官2人が負傷した。もう1人の実行犯は警察との銃撃戦で死亡した。

イラク北部に基地を持つPKKがこの自爆テロの犯行声明を出したと、同組織に近い通信社が伝えた。トルコ内務省も、実行犯2人のうち1人をPKKメンバーと特定した。同省はもう1人の実行犯の特定に努めているとしている。

この自爆テロは、3ヶ月間の夏季休会明けのトルコ国会がレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の演説とともに再開する数時間前に発生した。

爆発の後、トルコ国会と内務省付近を封鎖する治安部隊と救急隊。2023年10月1日、アンカラ。(AP)

内務省によると、実行犯2人は中部カイセリ県で獣医から奪った小型の商用車に乗って現場に到着した。政府寄りの日刊紙サバの報道によると、実行犯2人は獣医の男性の頭部を銃撃し、その遺体を道路脇の溝に投げ込んだ後、その車で約300km(200マイル)離れたアンカラに移動した。

アリ・イェルリカヤ内相は記者団に対し、「テロリストたちが車から出てくるや否や、勇敢な警察官たちは直感的に抵抗した」と述べた。「テロリストの1人が自爆し、もう1人は自爆する前に頭部を撃たれた」

「我々は、テロ、その協力者、(麻薬)密売人、ギャング、組織犯罪組織との戦いを断固として続けていく」

内務省の声明によると、警察は現場でプラスチック爆弾、手榴弾、ロケットランチャーを発見した。

エルドアン大統領は予定通りに国会で演説を行い、この自爆攻撃を「テロの最後のあがき」と呼んだ。

同大統領は次のように述べた。「市民の平和と安全を狙った悪党たちは目的を達成できなかったし、今後も達成することはないだろう」

また、南部国境を攻撃から守るためにトルコとシリアの国境に沿って30km(20マイル)の安全地帯を作るという政府の目標を改めて強調した。

トルコはイラク北部のPKKに対する越境攻勢を何度も実施してきた。また2016年以降、ダーイシュやクルド系武装組織YPGを駆逐し広大な領土を掌握するためにシリア北部への侵攻も行っている。

トルコはYPGを、同国、米国、EUからテロ組織に指定されているPKKの延長と見なしている。PKKは1984年からトルコに対する反乱を続けており、その紛争で数万人が死亡している。

昨年、イスタンブールの賑わう歩行者天国で爆弾が爆発し、子供2人を含む6人が死亡し、80人以上が負傷した。トルコは、このテロはPKKおよびYPGによるものだと非難した。

1日に撮影された防犯カメラの映像には、内務省の前で車が止まり、1人の男が車から出てきて同省庁舎入り口の方に走り、その後自爆する様子が映っていた。その男に続きもう1人の男が現れる様子も確認された。

それに先立ってテレビで放送された映像には、現場の車の傍で作業する爆発物処理班が映っている。現場はトルコ大国民議会やその他の政府庁舎の近くである。車の傍にはロケットランチャーが置かれているのが見える。

トルコ当局はその後、現場の映像に対し一時的な報道管制を行った。

ユルマズ・トゥンチ法相は、この「テロ攻撃」に関する調査が開始されたと述べた。

同法相はX(旧ツイッター)に、「これらの攻撃によってテロに対するトルコの戦いが妨げられることは決してない」と書いた。「我々は決意を強めてテロとの戦いを続けていく」

警察は中心街への立ち入りを禁止し治安対策を強化するとともに、不審物の制御爆破を実施すると市民に対し通告した。

イェルリカヤ内相によると、負傷した警察官2人は病院で治療を受けているが重傷ではないという。

10年間の緊張状態を経てトルコとの国交を正常化したエジプトは、今回のテロを非難した。エジプト外務省は、同国のトルコとの連帯を示す簡潔な声明を出した。

在アンカラ米国大使館やその他の在外公館も、今回のテロを非難するメッセージを発表した。

エルドアン大統領は演説の中で、トルコ国会がスウェーデンのNATO加盟を批准する時期を示唆しなかった。

昨年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、スウェーデンはフィンランドと共にNATO加盟を申請した。

その後フィンランドは加盟を果たしたが、トルコは、スウェーデンがPKKなどの組織の国内での活動に対する取り締まりを十分に行っていないとして同国の加盟を阻止した。スウェーデンのウルフ・クリスターソン首相はXへの投稿で、同国は「本日アンカラで行われたテロ攻撃を強く非難する」と述べた。

同首相は次のように書いた。「我々は、テロとの戦いにおけるトルコとの長期的な協力に対するコミットメントを再確認するとともに、負傷者が一日も早く完全に回復することを祈る」。この投稿内の「トルコ」については、トルコ政府が好む綴り「Türkiye」が使われている。

AP

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