
ジェッダ:ハマスは、イスラエルが戦争を終結させ、ガザから撤退すると約束しない限り、ガザでの停戦と人質解放に向けての新たな計画は受け入れないだろうと、和平交渉に詳しいパレスチナ当局者が1日に語った。
調停に入ったカタールとエジプトの担当者は、先週パリで行われた会談でイスラエルと米国が合意した、長期戦闘停止のための最初の具体案を過激派組織ハマスに提示した。
ハマス側はこの案の文言を検討し、対応策を準備しているところだ。
この案では、最初に40日間停戦し、ハマスが現在も拘束している約130人のイスラエル人の人質のうち残りの民間人を解放する。
続く段階では、イスラエル兵を解放し、死亡した人質の遺体を引き渡す。
「ハマスがこの案を拒否することはないだろうが、決定的な合意を与えることもないだろう」とパレスチナ当局者は語った。
「そうではなく、前向きな返答をしたうえで、自分たちの要求を再確認するのではないか。合意を締結するためには、イスラエルがガザでの戦争を終結させ、ガザから完全に撤退すると約束しなければならないという主張だ」
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、自身の政治的キャリアを守るために戦争を継続する必要があると考えられているが、こうした首相の姿勢をめぐる混乱にもかかわらず、外交的進展があった。
ネタニヤフ首相は、公の場では、すべての人質が解放され、ハマスが根絶されるまで停戦はあり得ないと主張している。
しかし、米国国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は「首相の公の場におけるコメントについては発言できないが、イスラエルを含む複数の相手国とここ数日交わした会話から、合意に向けて進展する可能性があるということは言える」と話していた。
戦争で死亡したパレスチナ人の数は1日に2万7000人を超え、瓦礫の下にはまだ数え切れないほどの遺体が埋まっているとみられる。
イスラエルは先週、大規模な地上攻撃を行い、南部の主要都市ハーン・ユーニスを占領しようとしているが、同市には家から逃れた数十万人の一般市民が避難している。イスラエルが数週間前に制圧したと主張していた北部地域でも、戦闘が急増している。
ガザ市出身の5児の父で、現在は地中海沿岸のハーン・ユーニス西部に避難しているオサマ・アーメドさん(49)は、市内で激しい抵抗があり、戦車が前進する中、空、陸、海から執拗な砲撃が続いていると語った。
「私たちが住んでいるアル・マワシまでイスラエル軍はまだ入ってきていませんが、日に日に近づいてきています」と彼は語った。
「私たちが望んでいるのは今すぐの停戦であり、家に戻り、戦争と屈辱を終わらせることです」