Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • ガザでの空爆で数十人が死亡 イスラエル・ハマス停戦合意の取り組みの中

ガザでの空爆で数十人が死亡 イスラエル・ハマス停戦合意の取り組みの中

2024年2月23日。イスラエルとパレスチナのイスラム主義組織ハマスの戦争が続く中、イスラエル軍の攻撃で負傷したパレスチナ人女性が、ガザ地区南部のラファにあるアブ・ユセフ・アル・ナジャール病院で、攻撃で亡くなった兄弟の死を悼む。(ロイター)
2024年2月23日。イスラエルとパレスチナのイスラム主義組織ハマスの戦争が続く中、イスラエル軍の攻撃で負傷したパレスチナ人女性が、ガザ地区南部のラファにあるアブ・ユセフ・アル・ナジャール病院で、攻撃で亡くなった兄弟の死を悼む。(ロイター)
Short Url:
25 Feb 2024 01:02:48 GMT9
25 Feb 2024 01:02:48 GMT9
  • 協議はまた、食糧難にあえぐガザの市民に対する不安が深まる中で行われる。
  • 「私たちは空爆では死ななかったが、飢えで死にかけている」と、ある子どもが掲げた看板には書かれていた。

パレスチナ自治区、ガザ地区:ハマスが支配するガザ地区の保健省は24日、イスラエルによる最新の空爆で数十人のパレスチナ人が死亡したと発表した。空爆は、イスラエルの情報機関トップが停戦交渉の行き詰まりを解消するため、パリで開催される協議に参加した後で行われた。

この協議は、イスラエルのネタニヤフ首相が発表した戦後のガザに関する計画が、主要な同盟国である米国から批判を浴び、ハマス、およびイスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治政府から拒否された後に行われた。

この協議はまた、食糧難にあえぐガザの市民に対する不安が深まる中で行われる。パレスチナ人のための国連の主要援助機関、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、ガザの人々は「世界が見守る中、極めて危険な状況にある」と述べた。

ハマスは24日、イスラエル軍が過去24時間にわたり、ガザのディール・アル・バラ、ハーン・ユーニス、ラファなどの都市で、民家を標的に70回以上の攻撃を行ったと述べた。保健省は、少なくとも92人が死亡したと発表している。

イスラエル軍は、戦車、近距離火器、航空機を使い、ハーン・ユーニス西部で「作戦を強化している」と述べた。

「兵士たちは同地域の軍事情報機関幹部の居住地を急襲し、トンネルのシャフトを破壊した」と軍は声明で述べた。

2007年以来ガザを支配しているパレスチナのイスラム主義運動ハマスによると、ガザ北部のゼイトゥーン地区で戦闘が激化しているという。

近くのジャバリア難民キャンプでは怒りの声が高まり、23日には数十人が即席の抗議行動を行った。

「私たちは空爆では死ななかったが、飢えで死にかけている」と、ある子どもが掲げた看板には書かれていた。

キャンプでは、汚れた衣服を着た子供たちがプラスチック容器やボロボロの調理鍋を手に、わずかな食料を期待して待っていた。住民たちは、腐ったトウモロコシや、人間が食べるには適さない家畜の飼料、さらには木の葉など、拾い集めた残飯を食べるようになっている。

ガザ保健省は、生後2カ月の乳児、マフムード・ファトゥフちゃんが「栄養失調」で死亡したと発表した。

「イスラエル政府がガザへの援助物資の搬入や水、保健、その他サービスへのアクセスを妨げる限り、飢饉のリスクは高まる」と、救援団体セーブ・ザ・チルドレンは述べた。

イスラエルは、同国はガザに援助を届ける努力を保護しており、戦争が始まって以来、援助物資を積んだ1万3000台のトラックがガザに入ったと述べている。

国連の人道援助機関、国連人道問題調整事務所(OCHA)は24日の報告書の中で、エジプト国境に近い都市ラファでは、人々が援助トラックを停車させて食料を奪っているとして、こうした状況はガザ市民の絶望の程度を示していると述べた。

戦争は10月7日、ハマスによる前例のない攻撃によって引き起こされた。AFPが公式発表を元に算出した数字によると、イスラエルでは民間人を中心に約1160人が殺害された。

ハマスの戦闘員はまた、人質も拉致した。イスラエルによれば、130人がガザに残っており、そのうち30人が死亡したとみられるという。

ガザの保健省が24日に発表した最新の集計によると、イスラエルの報復攻撃によって、女性と子供を中心に少なくとも2万9606人が死亡したという。

4カ月以上にわたって戦争が続く中、ネタニヤフ首相は22日に戦後のガザについての計画を発表した。計画では、ハマスとつながりのないパレスチナの役人が民間事務を運営するとしている。

計画によれば、紛争後もイスラエル軍はガザ全域で「無期限の自由」を持ち、テロ活動の復活を防ぐという。

また、イスラエルは、ガザの境界沿いに、ガザ領土内における安全保障のための緩衝地帯を設置する、現在進行中の計画を進めるとしている。

ハマス高官オサマ・ハムダン氏は、ネタニヤフ首相は「絶対に成功しないことを十分承知の上で提案を提示している」と述べた。

この計画は米国からも批判を浴びた。

「現在ヨルダン川西岸地区で部分的な行政権を持っているパレスチナ自治政府を活性化させることで、パレスチナの人々は声を上げ、投票権を持つべきだ」と米国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は述べた。

彼はさらに、米国は「ガザの領土を縮小することを考えてはいない」と付け加えた。

情報機関モサドのデビッド・バルネア長官が率いるイスラエル代表団は、残る人質の返還に向けた新たな取り組みのため、パリに向かった。

米国、エジプト、カタールはいずれも、停戦および捕虜・人質交換の実現を目指した過去の交渉に深く関与してきた。

ネタニヤフ政権に対し、停戦交渉を行い、人質解放の実現を求める圧力が高まっている。

人質の家族を代表するグループは、より迅速な行動を要求する「大規模な集会」を計画しており、24日の夜のパリ会談と同時に行われる予定だ。

「私たちはずっとあなた方に言い続けている。彼らを私たちのもとに連れて帰って欲しい!それはどんな方法でも構わない」と、10月7日に拉致されたハナン・ヤブロンカさんの姉、アヴィヴィット・ヤブロンカさんは、シャバット(安息日)にテルアビブで開かれた人質家族のための夕食会でこう語った。

ブレット・マクガーク米大統領特使は今週、イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相とテルアビブで会談した。マクガーク氏はこれに先立ち、カイロでハマス指導者、イスマイル・ハニエ氏と面会した仲介者たちと会談している。

ハマスの情報源によると、新しい計画は紛争の6週間の休戦、およびハマスが拘束している35人から40人の人質と引き換えに200人から300人のパレスチナ人囚人の解放を提案しているという。

バルネア長官とCIA長官は、11月に1週間の停戦を仲介し、イスラエルの刑務所に収監されていた240人のパレスチナ人囚人と引き換えに、80人のイスラエル人人質を解放した。

この戦争は、ガザのパレスチナ人に連帯を示すイランが支援するイエメンのフーシ派による紅海とアデン湾の海運への度重なる攻撃を引き起こしている。

こうした攻撃を受け、アデン湾で放棄された英国籍の貨物船「ルビマー号」は浸水し、海上に巨大な油膜を残している。

AFP

特に人気
オススメ

return to top