
エルサレム:火曜日、イスラエル国民は2度延期されていた地方選挙の投票を行った。これは、ガザ地区におけるハマスとの戦争開始からほぼ5か月が経過した、現在の国民感情をはかる材料となる可能性がある。
戦闘が激化するなか、兵士らはガザ地区の軍野営地に設置された特別投票所で1週間前からすでに投票を行っていた。
投票は火曜日の午前7時(グリニッジ標準時午前5時)に開始され、午後10時(同午後8時)に終了した。選挙当局によると、投票終了時点で投票率は約49パーセントだった。
これは2018年の59.5パーセントを下回る。
エルサレムの投票率は30.8パーセントで、テルアビブは40パーセントであったと当局は発表した。
イスラエルのほぼ全土、占領下のヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地、エルサレム、併合されたゴラン高原の一部の地方議会選挙では、700万人以上が投票資格を持っていた。
重大な事故の報告はなかった。
当初10月31日に予定されていたこの投票は、包囲されたガザ地区、さらにはハマスの盟友ヒズボラがガザ戦争開始以降、ほぼ毎日イスラエルにロケット弾を発射しているレバノンと国境を接する町や村では、2024年11月に延期された。
これら地域では、敵対行為により15万人近くのイスラエル人が避難を余儀なくされている。
エルサレム市議会議員候補のアミット・ペレツ氏(32歳)は、エルサレムの多様な構成により、「市は非常に複雑なため、すべてを機能させるためにはあらゆる声が市に届くことが求められる」と述べた。
エルサレム在住のギータ・コッペルさん(87歳)は、投票が「自分の声を届ける唯一の方法」であるため投票に行ったと語った。
「適切な人材が当選して、エルサレムのために正しい行いをしてくれることを願っています」と彼女は語った。
ハマスによる10月7日のイスラエル南部に対する前例のない攻撃を受けて、選挙は延期となった。公式統計に基づくAFPの集計によると、この攻撃で少なくとも1,160人(そのほとんどが民間人)が死亡した。
ガザ地区のハマス保健省によると、ハマスに対するイスラエルの報復攻撃により、ガザ地区では少なくとも2万9,878人が死亡し、そのほとんどが女性と未成年者だという。
10月7日の襲撃では、ガザ地区国境エリアの議会議長候補2人が殺害された。クファル・アザのオフィル・リブスタイン氏、さらには夫と3人の幼い子どもとともにニール・オズの自宅で射殺されたタマル・ケデム・シマン・トフ氏だ。
エルサレムや他の主要都市では、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の政治的同盟者と連携する極右やユダヤ教超正統派の候補者が、政府批判者や穏健派の候補者と対立していた。
ネタニヤフ首相は、ガザ地区で今も拘束されている人質の運命をめぐり、さらには反政府抗議運動が復活したことによって、国民からの高まる圧力にさらされている。
テルアビブ市長を25年間務めているロン・フルダイ氏は、初の女性市長の座を狙うオルナ・バービバイ元経済大臣との選挙戦で再選を目指している。
当初テルアビブ市長選に立候補すると発表していたアラブ人の弁護士アミール・バドラン氏は、投票日前に選挙戦から離脱し、市議会議員の議席を争った。
エルサレムでは、もう一人のアラブ人候補者ソンドス・アルホート氏がユダヤ・アラブ共同党の先頭に立って選挙戦を戦っていた。当選すれば、1967年以降初のアラブ人女性市議会議員となる。
市議会および地方議会の選挙は概ね地方の問題とみなされているが、一部の選挙戦は国政進出の野心を持った政治家にとって踏み台となる可能性がある。
ネタニヤフ首相が2022年末に政権に復帰するまで短期間首相を務めた野党指導者のヤイル・ラピド氏は、火曜日に行われた投票は戦争中でも選挙を実施することに「問題がない」ことを示していると述べた。
ラピド氏はソーシャルメディアプラットフォーム「X」への投稿で、「できるだけ早く」国会の選挙を実施してネタニヤフ首相を退陣に追いやるよう呼びかけた。
1967年にイスラエルに占領され、後に併合された東エルサレムのパレスチナ人の大半は、地方選挙の投票権があるが、国会の選挙には投票できない。
パレスチナ人の住民は市の人口の約40パーセントを占めているが、その多くは過去の選挙をボイコットしている。
第2ラウンドの決選投票は必要に応じて3月10日に行われる。
AFP