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2030年万国博覧会のリヤド招致が注目を浴びる ドバイのサウジ館が閉館式を開催

受賞に輝いたサウジアラビア館が、月曜日の夜、Expo2020ドバイ万博のオポチュニティー地区で閉会式を行った。
受賞に輝いたサウジアラビア館が、月曜日の夜、Expo2020ドバイ万博のオポチュニティー地区で閉会式を行った。
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29 Mar 2022 03:03:23 GMT9
29 Mar 2022 03:03:23 GMT9
  • 複数の支持を得たサウジアラビアが世界的イベントの有力候補に浮上
  • ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は昨年10月、サウジアラビアの2030年万博開催招致を表明

レベッカ・アン・プロクター

ドバイ:月曜日の夜、サウジアラビア・パビリオンは、2020年ドバイ国際博覧会のオポチュニティ地区で閉会式を行った。6カ月の間、ワークショップ、ショー、展示会を開催し、サウジアラビアの文化、開発、投資の可能性が国際的な脚光を浴びた。同パビリオンは複数の賞を獲得している。

アラブ地域初の万博が今週閉幕する中、サウジアラビアは昨年末の正式な招致活動ですでに複数の国際的な支持を獲得し、2030年の万博開催に向けて有力な候補として浮上している。

2020年ドバイ万博の先進的なパビリオンと、注目を集めたイベントプログラムの組み合わせは、2030年にサウジアラビアの首都リヤドで権威ある国際イベントを開催するための説得力を大きく高めたというのが、一致した見方である。

サウジアラビア・パビリオン最高責任者であるフセイン・ハンバザザー氏は、アラブニュースに次のように語った。「サウジアラビアにとって2020年ドバイ万博は、特に、前例のない規模で世界に開かれる、王国で得られるエキサイティングな機会と経験を紹介する、重要かつ非常に注目度の高いプラットフォームを提供する場となりました」

2022年1月13日、ドバイ万博のサウジアラビア・パビリオンを見学する来場者たち。写真は、王国最大のヤシ農園をイメージしたプロジェクション。(AFP/ファイル・写真)

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は昨年10月に2030年万博のサウジ招致を発表した。王国は12月、万博を運営する博覧会国際事務局(BIE)へ正式な申請書を提出した。

12月に行われたBIEへのプレゼンテーションで、サウジアラビアはリヤドをはじめとする国内各地域を、グローバルなコネクティビティ、文化、気候変動対策のための世界クラスの会場に変える大胆な計画の概要を示した。

サウジアラビアの招致活動は、『変革の時代:先見性に満ちた明日へと地球を導く』をテーマに掲げている。サウジアラビアが招致に成功した場合、博覧会は2030年10月1日から2031年4月1日までリヤドで開催される予定である。

BIE事務局長のディミトリ・S・ケルケンツェス氏は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子から正式な申請書を受け取った際、「2030年世界博覧会の開催を求める5番目の国、サウジアラビア王国からこの申請書を受け取ったことを嬉しく思います」と述べている。

また、「2030年万博開催への強い関心は、イノベーションと協力を促進することで互いのつながりを取り戻し、より持続可能な未来を築きたい、という世界の願いを証明しています」と続けた。

サウジアラビアの招致活動の一環として、リヤド市王立委員会のファハド・アル・ラシードCEOは昨年12月、世界最大級の公共交通網の構築、ニューヨーク・セントラルパークの4倍の広さを持つ緑地の都心部への設置、1500万本の植樹、サウジの首都の街を芸術作品にする計画を発表している。

「この変革はリヤドだけでなく、国全体に広がるものです」とアル・ラシード氏は述べた。「リヤドは万博開催の準備が整っています。世界最高の頭脳、アイデア、ソリューションを集結させるという万博の目的を、完璧に体現することになるでしょう」

リヤドの都市再開発計画の中心は持続可能性であり、環境保全と、10年以内に二酸化炭素排出量を半減させるという目標がプロジェクトの最前線にあると、同氏は語る。

「サウジアラビア初の開催地への立候補は、我が国にとって重要かつ象徴的な挑戦であり、全力でその実現に取り組んでいきます」

開催地には、サウジアラビア、イタリア、韓国、ロシア、ウクライナの5カ国が立候補している。ウクライナ紛争や欧米諸国によるロシアへの厳しい制裁措置のため、後者2カ国の招致は難しいとの見方が多い。

サウジアラビアはすでに大きな後ろ盾を得ている。11月には、イスラム協力機構(OIC)がサウジアラビアへの支援を表明している。

サウジアラビアが初めて万博に参加したのは1958年、ベルギーの首都ブリュッセルで開催されたブリュッセル万国博覧会である。以来、同国は万国博覧会や専門博覧会に積極的に参加している。(提供)

その後、ジブチ、モロッコ、モーリタニア、ザンビアなど、アフリカ諸国もサウジ招致への支持を表明している。

サウジアラビアが初めて万博に参加したのは1958年、ベルギーの首都ブリュッセルで開催されたブリュッセル万国博覧会である。以来、同国は万国博覧会や専門博覧会に積極的に参加している。

こうしたイベントにおける王国の熱意と取り組みは、決して見逃されてはならない。2008年にスペインのサラゴサで開催された専門博覧会では、サウジアラビアのパビリオン設計が銀賞を受賞した。その2年後、中国の上海万博では金賞を獲得している。

万博の伝統は、1851年にロンドンで開催された万国博覧会に始まる。科学技術の進歩を祝う記念碑的なイベントであると同時に、交通や通信が発達し、無限の可能性を秘めていた時代を反映して、世界中の珍品が魅力的に展示されたのだ。

以来、万博は、その時々の革新と発見を共有し、祝福する場であると同時に、人類が直面する共通の課題を考察し、共通の解決策を見出すことを願って開催されてきた。次回の万国博覧会は、2025年に日本の大阪で開催される予定だ。

この世界的なイベントは、ほぼ5年ごと、半年間にわたって開催される。来場者は共通のテーマに沿って、没入型の旅をすることになる。数千万人の来場者を迎える万博では、参加国は特別なパビリオンを建設し、それは開催都市を何年にもわたって変貌させることができるのである。

昨年10月1日の開幕以来、UAE最大の都市ドバイに約1000万人が訪れ、万博は大成功を収めた。3月25日までに、サウジアラビアのパビリオンだけでも7566の教育施設を含めた460万人の来場者を迎えた。

パビリオンでは、230以上のユニークなプログラムが開催され、そのうち35のプログラムは、子供たちが遊びながらサウジの歴史と文化について学べるよう、特別に作られたものである。

また、サウジアラビアの成長と投資を促進し、観光とエンターテインメントの機会を促進することを目的とした11のビジネスプログラムも開催した。これらのイベントのいくつかは、他のパビリオンとの共同企画であり、これは異文化間の架け橋となり、共通の商業的利益を見出すことを目的としている。

サウジアラビア・パビリオンのイベントや展示の中心となり、2030年万博の開催を目指す鍵となるのは、王国の経済・社会改革アジェンダである「ビジョン2030」の目標である。

「2020年ドバイ万博は、サウジアラビアが国家変革の戦略的枠組みであり、我が国に大きな変革をもたらす『ビジョン2030』を立ち上げてから初めて参加する博覧会です」とハンバザザー氏は述べた。

アラブ地域初の万博が今週閉幕する中、サウジアラビアは2030年の万博開催に向けて有力な候補として浮上している。(AN・写真/ハシェム・リズク)

2016年に皇太子が打ち出したこのアジェンダは、サウジアラビアを世界の投資大国に変え、石油依存の経済を多角化し、持続可能なハイテク産業を取り入れ、10年後までに世界第15位の経済大国になることを最終目標としている。

王冠に輝くビジョン2030の宝石は、間違いなく王国の新しいギガプロジェクトである。その一環である紅海プロジェクトは、王国の西海岸にある豪華で持続可能な観光開発であり、またNEOMは王国北西部に建設中のクリーンエネルギー主導の未来型スマートシティである。

2020年ドバイ万博のサウジアラビア・パビリオンには、これらの投資機会を促進するための施設も用意された。世界中の投資家がパートナーシップを築き、機会について話し合うための革新的なプラットフォーム、「ビジネスパーク」や、サウジアラビア経済やその競争力、同国で行われている前例のない改革について来場者に学んでもらうための「ディスカバリーセンター」などである。

「万博来場者の4人に1人が王国のパビリオンを訪れるなど、大変な人気を博したことを誇りに思います」とハンバザザー氏は述べた。

「まだ訪れたことのない皆様には、3月31日の万博閉幕前に是非ともお越しいただき、ご自身で体験していただきたいと思います」

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