
ワシントン:ホワイトハウスは、レバノン南部におけるイスラエルとヒズボラの緊張関係を理由に、すでに米国に滞在している推定11,500人のレバノン系アメリカ人に強制退去の延期と労働許可を認めると、ジョー・バイデン米大統領が金曜発表した。
この措置は、強制退去の延期(Deferred Enforced Departure)として知られる権限に基づき、レバノン国籍者の米国在留を18ヶ月間認めるもので、更新される可能性もある。
この発表は、カマラ・ハリス副大統領が7月18日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、パレスチナ市民の犠牲を緩和する為、ガザの停戦協定に合意するよう強く求めたことを受けてのもので、バイデン氏よりも強硬な姿勢を見せている。バイデン氏が、7月21日大統領選を辞退すると表明し、ハリス氏が民主党の大統領候補に浮上した。
ヒズボラと同盟関係にあるハマスが、10月7日にイスラエル南部の国境付近を奇襲攻撃し、ガザへの軍事攻撃が開始した直後に、ヒズボラはパレスチナ武装勢力への「前線支援」を発表。以来、イスラエルとヒズボラは国境付近での銃撃戦を続けている。
ヒズボラはイランの支援を受けた武装勢力で、レバノンで最も強力な軍事力、権力を有している。
デトロイトやその他の地域に、レバノン系アメリカ人が多く住むミシガン州選出の民主党議員、デビー・ディンゲル氏は、この措置を高く評価し、推定11,500人がこの措置の対象となる。
「ミシガン州は多くのレバノン系アメリカ人の故郷であり、レバノンが前例のない経済的、政治的、財政的危機に直面する中、家族が苦しむ姿を目の当たりにし続けています」と同氏は声明で述べた。
ホワイトハウスでの再選を目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領は、再選された場合、大規模な 移民強制送還を公約に掲げている。トランプ前大統領の選挙陣営からは、現時点ではコメントが得られていない。
ロイターの集計によると、レバノンでの戦闘で100人以上の民間人と300人以上のヒズボラ戦闘員が死亡した。イスラエル側では、民間人10人、外国人農業従事者1人、兵士20人が死亡した。また、数万人が両国の国境付近から避難している。
ロイター