モスクワ:ロシア外務省は水曜日、シリアにおけるイスラエルの行動は、ヨム・キプル戦争を終結させた1974年のイスラエルとシリア間の条約に違反していると述べ、イスラエルのシリアに対する空爆を深刻な懸念事項と呼んだ。
イスラエルのイスラエル・カッツ国防大臣は火曜日、イスラエル軍が空爆によりシリアの戦略兵器備蓄の大半を破壊したと発表したことを受け、イスラエルはシリア南部に「不毛地帯」を設けることを目指していると述べた。
ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワ氏は、イスラエルの行動はシリア情勢の安定化にはつながらないと記者会見で述べ、自制を求めた。
クレムリンは水曜日、同盟国であるシリアのアサド大統領の失脚による中東におけるロシアの影響力へのダメージを軽視し、ウクライナに焦点を当てているとし、モスクワはシリアの新たな支配者と接触していると述べた。
ロシアは2015年にシリア内戦に介入し、アサド政権を有利にするようバランスを傾ける手助けをしたた。アサドが政権を失墜したことは、ウクライナで大規模な地上戦を繰り広げているロシアと、中東全域で米国の後ろ盾を得たイスラエルと戦っているイランの両国にとって深刻な後退となった。
「もちろん、我々は現在シリア情勢を掌握している者たちと接触している」と、クレムリンの報道官であるドミトリー・ペスコフ氏は記者団に語った。
アサド政権の崩壊がロシアの同地域における影響力をどれほど弱めたかという質問に対して、ペスコフ氏は、モスクワは同地域のすべての国々と接触を維持しており、今後もその方針は変わらないと述べた。
ペスコフ報道官は、モスクワの優先事項はウクライナでの戦争であり、プーチン大統領はこれを「特別な軍事作戦」と呼んでいると述べた。
「特別な軍事作戦は我が国にとって絶対的な優先事項である。我々の安全保障、ロシア国民の利益を確保しなければならないし、そうするつもりだ」とペスコフ報道官は述べた。
モスクワは冷戦初期の頃からシリアを支援しており、1944年にダマスカスがフランスの植民地支配からの脱却を模索していた際に、その独立を承認した。西側諸国はシリアをソビエトの衛星国とみなしていた。
ロイター