



ガザ/カイロ: パレスチナの過激派組織ハマスが土曜日、イスラエル人の人質3人を引き渡し、それと引き換えに数十人のパレスチナ人囚人や拘禁者が解放された。
フランス人とイスラエル人の二重国籍者であるオフェル・カルデロンさんは、イスラエルに移送される前に、ガザ南部の都市ハーン・ユーニスで赤十字職員に引き渡された。イスラエル系アメリカ人のキース・シーゲルさんも、ガザ市の港で引き渡された。
その数時間後、183人のパレスチナ人囚人と被拘禁者が解放された。そのうち150人はガザに到着し、32人はヨルダン川西岸地区のラマッラーでバスを降り、大群衆に迎えられた。ハマス囚人メディア事務所によれば、解放された囚人のうち1人はエジプトに追放されるという。
イスラエルの刑務所で2度の終身刑に服していたアリ・アル=バルグーティさんは、「苦痛と苦難の旅にもかかわらず、私は喜びを感じている」
「終身刑は破棄され、占領もいつか破棄されるだろう」と、ラマッラーで彼を囲む群衆が 「アッラー・アクバル(神は最も偉大なり)」と唱える中、バルグーティさんは付け加えた。
新たに再開された南部国境のラファ検問所では、パレスチナ人患者がエジプトでの治療のためにガザを離れることが許可される。
しかし、ガザ保健省の高官であるモハマド・ザクート氏は、治療のために渡航を許可された患者の数は限られており、約18,000人がより良い医療を必要としていると批判した。
イスラエルでは、人質広場として知られるテルアビブの場所に群衆が集まり、午前中のイスラエル人人質の解放を屋外の巨大スクリーンで見守り、3人が登場すると歓声と拍手と涙が入り交じった。
2023年11月の最初の人質交換で2人の子供エレズさんとサハルさんが解放されたカルデロンさんとビバスさんは、赤十字職員に引き渡される前に、今週ハマスによって死亡が確認された元軍事司令官モハマド・デイフ氏を含むハマスの人物のポスターの前で、ハーン・ユーニスのステージに一時的に登った。
「オファー・カルデロンは自由の身だ!我々は、想像を絶する地獄の483日間を経て、彼の愛する人々の計り知れない安堵と喜びを分かち合う」とエマニュエル・マクロン仏大統領は声明で述べた。
土曜日の引き渡しでは、木曜日の引き渡しで見られたような混乱した光景は見られなかった。ハマスの警備隊がガザで押し寄せる群衆から人質を守るのに苦労したのだ。
しかし、戦争で大きな損害を被ったにもかかわらず、ガザでの支配が再び確立されたことを示すために、引き渡しが行われた地域をパレードしたハマスの制服組による力の誇示の場となった。
残る人質の解放交渉
木曜日に予定外に解放されたタイ人5人を含め、これまでに解放された人質の総数は18人である。
土曜日の交換の後、イスラエルは583人のパレスチナの囚人と拘留者を解放することになる。その中には、致命的な攻撃で終身刑に服している過激派や、戦争中に拘留されたが起訴されていない者も含まれる。
戦闘が沈静化するにつれて、より広範な解決策を構築するための外交努力が強化されている。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は火曜日にドナルド・トランプ米大統領と会談する予定で、ガザ停戦と、戦後処理の一環としてのサウジアラビアとの関係正常化の可能性が焦点となりそうだ。
停戦の第一段階では、33人の子ども、女性、年配の男性、病人や負傷者の人質が解放される予定であり、60人以上の軍人の男性が第二段階まで残されている。
残りの人質の解放とイスラエル軍のガザからの撤退に関する合意について、火曜日までに交渉が開始される予定である。
エジプトとカタールの調停者と合意し、米国が支援した最初の6週間の停戦は、双方が他方を協定違反と非難するような事件にもかかわらず、ほぼそのまま維持されている。
停戦協定に反対する強硬派を擁するネタニヤフ政権とハマス側は、第2段階での合意を目指しているという。
しかし、永続的な和解の見通しは依然として不透明だ。戦争はハマス主導のイスラエル攻撃で始まり、1,200人が死亡、250人以上が人質に取られた。イスラエル軍の作戦により、47,000人以上のパレスチナ人が死亡した。ガザは廃墟と化し、深い恨みと不信の遺産が残っている。
イスラエルの指導者たちは、ハマスがガザにとどまることはできないと主張し続けているが、ハマス運動は、戦争中にかつての指導者の多くと何千人もの戦闘員を失ったにもかかわらず、あらゆる機会をとらえて、その支配力を示し続けている。
ロイター