
ガザ・シティ:漁師のハレド・ハビブ氏は、かつて冷蔵庫のドアだったものの上に平然と座り、その場しのぎのパドルを使ってガザ・シティの漁港の海を進む。
15ヶ月以上にわたるイスラエル軍の砲撃で、港にあるほとんどのボートは破壊され、漁師たちの生計手段は無くなった。
「私たちは今、非常に困難な状況にあり、漁業で苦労している。漁船はもう残っていない。すべて破壊され、地面に投げ捨てられた」とハビブ氏は言う。
冷蔵庫のドアとコルクでこの 「ボート 」を作ったんだ。
家族を養い続けるために、ハビブ氏は古い冷蔵庫のドアにコルクを詰めて浮力を持たせることを思いついた。
彼は片側を木で、もう片側をプラスチックシートで覆い、その場しのぎのパドルボードの防水性を高めた。
ハビブ氏はまた、網がないため針金で釣りのかごを作ったが、釣果は 「少なかった 」と認めた。
国連食糧農業機関は12月、紛争がガザの 「かつては繁栄していた漁業部門を崩壊寸前まで追い込んだ 」と発表した。
FAOは、「2023年10月から2024年4月までのガザの1日平均漁獲高は、2022年のレベルのわずか7.3%まで落ち込み、1750万ドルの生産損失をもたらした」と述べた。
ハビブ氏は現在、主に小さな港湾区域内で、団子をエサに漁を行っている。
1月19日に発効した停戦によって戦闘は実質的に停止したが、ハビブ氏によると、港の外での漁は禁止されているという。
「漁港の外に出れば、イスラエルの船が撃ってくる」
ハビブ氏は、家族が食べるのに十分な魚を捕り、残りを手頃な値段で売ることで他の人を助けようとしているという。
漁師は獲物を小さなビニール袋に分けると、港の市場で高値で売る。
3月1日に終了したガザ停戦の第一段階は、パレスチナ領土への重要な食料、避難所、医療支援の流入を可能にしていた。
イスラエルは3月2日、パレスチナ人が食糧不足と物価上昇を恐れているというガザへの援助物資の搬入を阻止すると発表した。
他の何人かの漁師、特に若い世代も、新しいその場しのぎの浮き台を利用している。
ハビブ氏は、この自家製パドルボードには2つの目的があると見ている。
「泳ぎ方を学ぶ新しい世代を育てたいのであれば、ボートは冷蔵庫のドアで作るべきで、そうすれば誰もが泳ぎ方、漕ぎ方、帆の張り方を学ぶだろう」と彼は言う。
そして、「誰もが泳ぎ方、漕ぎ方、帆の張り方を学ぶだろう」と彼は繰り返し「神に感謝し、彼らは泳ぎ方を学ぶんだ」といった。
AFP