
ダマスカス:かつて、ダマスカスの市場でパイナップルらしきものを見かけたとしても、それは手榴弾である可能性の方が高かった。
アサド王朝下での数十年にわたる貧困と抑圧を経て、今、輸入フルーツが再び人々の口を潤している。
昨年12月にバッシャール・アサドが追放される以前は、パイナップル、キウイ、マンゴーは闇市場でしか手に入らず、シリアの富裕層しか買えなかった。シリアの首都にあるシャアラン市場で果物を売るマルワン・アブ・ハイラさん(46)は、「以前は、ガソリンや軽油のように、タクシー運転手の助けを借りてレバノンから密輸していた」と語った。「今、私たちはパイナップルを陳列することができる。パイナップル恐怖症の時代は終わった」
価格も急落した。もう一人の果物売り、アーメド・アル・ハレスさん(45)は、バナナはかつて公務員の月給に相当する値段だったと言う。今ではパイナップル1キロが30万シリア・ポンド(約23ドル)から4ドルに下がっている。
現実的な問題がひとつ残っている。「パイナップルは万人向けです」と医学生のヌール・アベド・アルジャバルさんは言う。「たとえ皮のむき方を知らない人がいたとしても」
AFP