ウィーン:イランによる高濃縮ウランの生産は続いており、国連核監視団との協力は、前回の理事会決議にもかかわらず、改善されていない。
6月に開かれた国際原子力機関(IAEA)の35カ国からなる理事会の最後の四半期会合で決議がなされたにもかかわらず、イランのペゼシュキアン大統領が先月選出され、11月にはアメリカ大統領選挙が予定されているため、核外交はほとんど保留されている。
IAEA事務局長のラファエル・グロッシ氏は、ペゼシュキアン大統領との最初の交流の後、早期にイランを訪問し、具体的な結果に速やかにつながる流動的で建設的な対話が確立されることを希望している。
IAEAとテヘランとの関係を悪化させているいくつかの長年の問題(イランが濃縮を調査するためのIAEA査察団を締め出したこと、イランが未申告の施設でのウランの痕跡について説明しなかったことなど)については、この四半期も進展がなかった。
同時に、イランはナタンズとフォルドウにある主要濃縮施設に、ウランを精製する遠心分離機のカスケード(クラスター)を追加した。
山の中に掘られたフォルドウには、新型遠心分離機IR-6がさらに8基設置され、合計10基となったが、新しい遠心分離機はまだオンライン化されておらず、六フッ化ウラン(UF6)ガスの濃縮はまだ行われていないとのことである。
イランのUF6ウラン在庫は、兵器用ウランの約90%に近い60%まで濃縮され、推定22.6キロ増の164.7キロである。
IAEAの基準によれば、これは理論上、さらに濃縮すれば核爆弾4発分に2kg足りない。
同じ指標で、イランは現在、純度20%まで濃縮したウランを、さらに濃縮した場合、核爆弾6個分保有していることになる。
ロイター