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イスラエル前首相:ガザの「人道的な街」は「強制収容所」

2025年6月9日、パリでAFPのインタビューに応じるイスラエルのオルメルト前首相。(AFP=時事)
2025年6月9日、パリでAFPのインタビューに応じるイスラエルのオルメルト前首相。(AFP=時事)
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15 Jul 2025 03:07:07 GMT9
15 Jul 2025 03:07:07 GMT9
  • イスラエルのオルメルト前首相は、国防相の提案は民族浄化に等しいと非難した。
  • 前首相は、ヨルダン川西岸での入植者の犯罪を非難し、イスラエルの極右閣僚を「内部からの敵」と呼んだ。

ロンドン:ガザに避難民のための 「人道的な街 」を建設する計画は、強制収容所の建設に等しいと、イスラエルのエフード・オルメルト前首相が述べた。

イスラエル国防相イスラエル・カッツ氏が先週説明し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が支持したこの計画は、約60万人のパレスチナ人、そして最終的には200万人を超えるガザの全人口を、ラファに移住させることを提案している。一旦そこに移れば、国外に旅行する場合のみ、出国が許可される。

「強制収容所だ。申し訳ない」とオルメルト氏は『ガーディアン』紙に語り、「もし彼ら(パレスチナ人)が新しい 『人道的な街 』に強制移住されるのであれば、これは民族浄化の一環だと言える」と続けた。

同氏はさらに、「彼らが(『ガザの過半数を浄化する』と主張する)収容所を建設する時、その戦略の真の目的がパレスチナ人を救うことではないという理解は不可避です」と語った。

「それは、彼らを追放し、押しやり放り出すことなのです。少なくとも私には、それ以外の理解はないです」と同氏は続けた。

イスラエルの法律専門家とジャーナリストは先週、カッツ氏に「特定の条件下では、ジェノサイドに相当する可能性がある」と警告した。

オルメルト氏はまた、イスラエルの入植者による、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に対する暴力の増加を非難し、イスラエル当局の共謀を批判し、米国市民を含む2人の男性が最近死亡したことを戦争犯罪と呼んだ。

「これは許し難い。受け入れられない。大規模なグループによって、最も残虐で犯罪的な手段で組織的に計画され実行されている継続的な活動である」と同氏は述べた。

「そのような一貫性があり、大規模で広範な活動を、占領地域におけるイスラエル当局が提供する支援と保護の枠組みなしに実行することは不可能です」と、同氏は続けた。

イスラエルの極右閣僚が、ヨルダン川西岸地区での暴力を推進し、ガザを「浄化する」などの言葉を使っていることについて、オルメルト氏はこの閣僚らを「内部からの敵」と呼び、そのレトリックや行動が反イスラエル感情を煽ることになると警告した

「米国では、イスラエルに対する憎悪の表現がますます拡大しています」と同氏は述べ、「私たちは、『彼らは反ユダヤ主義者だ』と自分自身に言い聞かせています。私は、彼らが反ユダヤ主義者だとは思いません。彼らの多くは、テレビやソーシャルネットワークで目にする情報により、イスラエルに反対しているのだと思います」と続けた。

「これは痛ましいですが、正常な反応です。人々は『超えてはならない、あらゆる一線を越えた』と叫んでいるのです」と同氏は語った。

オルメルト氏は、2023年10月のハマスの攻撃後、最初のガザ侵攻を支持したものの、イスラエル政府がどのように戦争を遂行し、和平交渉を放棄したかを「恥じ、心を痛めている」と語った。

「その姿勢を変えるために、私にできることは、第一に、これらの悪を認識すること、第二に、彼らを批判し、国際世論にイスラエルにも(他の)声、多くの声があることを知らしめること以外にあるでしょうか?」と同氏は続けた。

「イスラエル軍の一連の行動が『無関係な多くの市民の死亡』を引き起こしたと信じている」と述べた上で、同氏は次のように付け加えた:「この政府が、戦争犯罪の責任を負っていることを非難せずにはいられない」

しかし、同氏は和平と2国家による解決はまだ可能である、との希望を口にし、それを実現するために国際社会に働きかけようと、パレスチナのナセル・キドワ前外相と協力していると『ガーディアン』紙に語った。

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