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レバノンの国会議員が米国の制裁についてヒズボラに警告

ヒズボラはシリアでの戦争に長い間関わっており、レバノンとの国境近くのシリア領内に軍事基地と訓練センターを保持していることが知られている。(AFP)
ヒズボラはシリアでの戦争に長い間関わっており、レバノンとの国境近くのシリア領内に軍事基地と訓練センターを保持していることが知られている。(AFP)
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27 May 2020 06:05:01 GMT9
27 May 2020 06:05:01 GMT9

ナジア・フサリ

ベイルート:レバノンの政治勢力は、イランが支援するヒズボラに対し、改革を要求し、さもなければ米国によるカイザー法の施行に直面することとなり、同国に壊滅的な影響を与える可能性があるとして再度圧力をかけた。

レバノンの政界では、ヒズボラのシリアへの関与と、アサド政権とその支持者に対する厳しい制裁を要求するカイザー法が課される可能性について激しい議論が戦わされている。

カイザー法チームのメンバーであるムアズ・ムスタファ氏は最近、制裁の目的は、シリア政権と何らかの合意をしたすべての人々にまで及ぶため、レバノンの有力な政治家がヒズボラと共に標的にされる可能性が高いと語っている。レバノンの政治家がこの問題を軽視していないことは、シリアとレバノンの国境沿いの密輸の終了とヒズボラの武装解除を要求する声明からも明らかである。自由愛国運動(FPM)のゲブラン・バシル党首は最近、強力な軍事的装備で国境沿いに抜け穴を掘り不法密輸を行っているとして「事実上の軍隊」を非難した。ヒズボラはシリアでの戦争に長い間関わっており、レバノンとの国境近くのシリア領内に軍事基地と訓練センターを保持していることが知られている。ディーゼルと小麦粉の密輸が、レバノンからシリアへの違法な越境を通じて行われている。

FPM のジアド・アスワド議員は強い口調のメッセージで、「人々が飢えている一方で武器を持ち続けることはできない」と語った。

アスワド氏はヒズボラに対し、「その武器の対価はすべてのレバノン人が支払っている」と警告した。

レバノンの各政党に伝えられた米国のメッセージに関する最も明白な立場は、「米国の決定は、党(ヒズボラ)を武装解除するために必要であり、さもなければレバノンが自身で管理しなければならない」というアスワド氏の告白を通じて明らかにされた。

ヒズボラに対するFPMのこうした前例のない姿勢は、イランが支援するグループによる不法越境に対する反対派の政治キャンペーンと重なった。

レバノンの治安部隊は、国境を越えた密輸を防止するための措置を強化し、またレバノン軍は複数の密輸業者を逮捕するとともに5つの違法な越境ルートを閉鎖した。

治安部隊はまた、レバノン国境の村とヘルメルの町の間の橋を取り除き、未舗装の道路を閉鎖した。これらの道路の1つは、オロンテス川流域からシリア国境まで通ずるものである。ヒズボラのハッサン・ナスララ書記長は、シリアとの国境に軍と国連軍を配備するようにとの要請に応じ、レバノンは「国境が重なり合っていて問題が複雑であるため、状況を単独でコントロールすることはできない」と主張した。

メイ・チディアック元大臣は、「(カイザー)法の詳細と、制裁措置の対象となる規制がまだ明らかではないので、それを知るまで待つ必要があります。」と言う。

チディアック氏はアラブニュースに対し、「米国当局のレバノン担当者は、違法な越境を閉鎖し、税関逃れの密輸と闘う必要性を強調しています」と語った。

「その目的は、レバノンでのヒズボラのステートレットをサポートするチャネルを枯渇させることです。米国の条件は、レバノンの国際通貨基金との金融危機に関する交渉中に監視することができます。」

チディアック氏は次のように付け加えた。「レバノンはもはや米国にとっての優先事項ではありません。シリアではロシアとイランが影響力を共有しているため、この地域におけるカードはシフトしています。理解できないのは、ヒズボラがレバノン南部国境でのUNIFIL(国連レバノン暫定駐留軍)の役割を強化する決議1701による配備を受け入れたにもかかわらず、シリアとのレバノン東部国境でのUNIFIL軍の配備を拒否したことです。」

元レバノン駐米大使のリヤド・タバラ博士は、「米国は…ヒズボラとの取引に関するメッセージを送っています」と言う。

タバラ氏はアラブニュースに対し次のように語った。「カイザー法によりトランプ米大統領が制裁を課す相手を好きに選ぶことができるようになりました。『ヒズボラと協力するすべての人』という文言は柔軟で、その対象とプレッシャーの拡大を可能にします。」

タバラ氏は、米国は「レバノンを破滅させたいわけではなく、ヒズボラに対し圧力をかけたがっています」と語った。

彼はまた、「FPMの立場は、同党が米国のメッセージを受け取ったことを示していますが、FPMがヒズボラの問題で効果的な役割を果たすことができるとワシントンを説得しようとしているところです」と付け加えた。

違法な越境に関し、タバラ氏はワシントンからその閉鎖に対する圧力が絶え間なくあるが、それにはカイザー法は関与していないと言う。「むしろ、こうした圧力はヒズボラに影響を与えるのを助けるかもしれません。」

元国会議員ファリス・サイード氏は、次のように語った。「カイザー法は、起訴と制裁の脅威により、シリア政権への商品の輸出を阻止するという点でレバノンに大きな影響を与えるでしょう。またこれにより、レバノンからシリアに渡るものは国際法違反になるでしょう。シリアに投資するようにレバノン人を説得しようとする人も違法となります。」

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