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ローマ法王、リビアの移民収容施設を強制収容所に喩える

法王は、7年前にある移民と会話を交わした際、その移民の実際の発言を通訳が「当たり障りの無い」表現でしか法王に伝えなかったことを回想した。(File/AFP)
法王は、7年前にある移民と会話を交わした際、その移民の実際の発言を通訳が「当たり障りの無い」表現でしか法王に伝えなかったことを回想した。(File/AFP)
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08 Jul 2020 11:07:42 GMT9
08 Jul 2020 11:07:42 GMT9
  • ローマ法王はこれまでにリビアの移民収容施設の閉鎖を呼びかけていた
  • リビア国内では、何千人もの難民が公式に設置された約20の抑留施設に収容されている

バチカン市国:フランシスコ法王は、水曜日、リビア国内の移民抑留施設を強制収容所に喩え、そこに収容された人々の地獄のような生活の実際を外部の世界が知らされていないと訴えた。

これまでにもリビアの移民収容センターの閉鎖を呼びかけてきた法王は、ミサ中の説教で、北アフリカから危険な渡海を行う移民たちの上陸地であるイタリアのランペドゥーサ島訪問の7周年にあたることに言及し、リビアの移民収容施設について述べた。

事前に用意された原稿による説教を一旦中断した法王は、7年前のランペドゥーサ島訪問時に法王がある移民と会話を交わした際、その移民の実際の発言を通訳が「当たり障りの無い」表現でしか法王に伝えなかったことを回想し参列者に語った。

「これと同じことが現在のリビアで起きています。当たり障りの無い話しか伝えられていないのです」と、フランシスコ法王は述べた。法王は、移民の保護をこれまでで7年間となる在職期間の主要な取組みとしている。

「そう、リビアでは(戦争が)ありました。それがとてもひどかった事は分かっているのです。しかし、今、リビアのラーゲルで抑留されている人たちの生活は皆さんが想像もできないような地獄の日々なのです」と、法王は言った。

ラーゲルとは、「強制収容所」を意味するドイツ語の「Konzentrationslager」の略語である。

「地中海を渡った時、移民たちには希望がありました」とフランシスコ法王は語った。

国連によれば、何千人もの難民と移民が公式に設置された約20の抑留施設に収容されているが、その内のいくつかは武装集団の管理下に有り、さらには、把握すらされていない数の人々が人身売買業者の運営する劣悪な施設で拘束されているという。

複数の人権団体が、暴力や強制労働などの虐待がそれらの抑留施設で横行していると述べている。

リビアの施設に収容されている抑留者たちの中には、ヨーロッパに向けて出航したものの欧州連合(EU)の支援を受けたリビア沿岸警備隊によって連れ戻された人々も含まれていると国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は指摘している。

ロイター

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