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エジプトの戦略家、トルコは『リビアで帝国の復興を夢見ている』と発言

イスタンブールでの会談の前に、写真撮影に応じるトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(右)と、国際的に認められたリビア政府のフェイエズ・サラジ首相:2020年7月25日(土曜日)file photo(AP)
イスタンブールでの会談の前に、写真撮影に応じるトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(右)と、国際的に認められたリビア政府のフェイエズ・サラジ首相:2020年7月25日(土曜日)file photo(AP)
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01 Aug 2020 10:08:40 GMT9
01 Aug 2020 10:08:40 GMT9
  • アンカラの軍事的な冒険が領域を分割しているとナセル陸軍士官学校の顧問、ナジ・ショーフッド少将が警告

エッサム・モハメド

カイロ:エジプトは、エジプト軍に大きなダメージを負わせることが画策されたリビアの紛争に引きずり込まれることは無いと、カイロを拠点とする軍事戦略の第一人者がアラブニュースに語った。

ナセル陸軍士官学校の戦略的専門家および顧問であるナジ・ショーフッド少将は、トルコがリビアに介入してオスマン帝国復活の夢を追求していると非難した。

アンカラは、海軍と空軍の基地を設立することにより、リビアでの存在感を確立しようと努めており、それも単独でではなく、背後では米国やロシアとも協力していると彼は付け加えた。

「トルコはソマリア、次にカタールに軍事基地を置き、そして今はリビアでの拠点確保に乗り出している。エルドアンはまだオスマン帝国復興の夢を追っている」

ショーフッド少将は、欧州と米国が2005年にコンドリーザ・ライス元米国務長官によって発表された計画を承認しているため、この地域は「何らかの形で分割される」と述べた。

「トルコは、シリアとイラクの両国で当時の計画を実施する手段として使われている。 トルコは破壊活動が行われている地域に介入し、例えばシリアはトルコによってイデオロギーと部族主義によって分裂状態にあり、リビアでは直接戦力を送り込むことなく、他の勢力と合意、協調して動いている」とも述べている。

ショーフッド少将は、自らの領土から何百マイルも離れた場所で戦闘行為を行うのは難しいことから、トルコがリビアで直接軍事行動を起こす可能性は低いと見ている。

「トルコは自らの専門知識と能力を提供することで、地元勢力を後押しし、彼らが望むことを達成している。トルコが望んでいることは、リビアの空軍、海軍基地に半永久的な自国の基盤を築くことである」
ショーフッド少将が言うには、「リビアの人々が欧州や米国が敷いた路線を打ち破ることが期待されるが、しかし彼らが再びオスマン帝国の奴隷となることを受け入れるかどうかは彼ら自身で決めることでもある」

彼はエジプトが、その国民とエジプトの軍隊の利益にならないことのために、リビアの今後を決定する争いに引きずり込まれることはないと述べた。

「エジプトは、状況を十分に調査し、それがエジプトの国民の利益になることを確認した上でなければ、南部または西部の戦争に絡むことは無い」と述べた。
ショーフッド少将は、リビアの状況に対処するには「細心の注意と予測」が必要であると述べた。

エジプト軍は、地域での衝突を回避するために、躊躇することなく最初に打撃を与えなければならない、と彼は付け加えた。

「一部の人々はエジプトとトルコの間の軍事衝突を望んでいる」とショーフッド少将は述べた。


トルコの拡張主義は不吉な転換を遂げ、文化的および経済的プロジェクトを超えて軍事的侵攻に移行し、ほぼ100年の時を経て、オスマン帝国の軍隊がアラブ世界に再浮上している。

「彼らが再びオスマン帝国の奴隷であることを受け入れるかどうかは、リビア国民次第だ」

ショーフッド少将

カタールに最近置かれたアルライヤン軍事基地—オスマン帝国の終焉以来、湾岸地域で最初の軍事拠点—は、トルコの野心の出発点である。
アラビア半島の反対側では、トルコは、2016年7月に戦略的拠点アデン湾を見下ろすソマリア沿岸に約5,000万ドルの費用をかけて軍事基地を建設している。

アデン湾は、世界の石油貿易への主要な玄関口である。基地の建設は、トルコとエジプト間の敵対関係の拡大と同時に進展した。アデン湾とバブ・エル・マンデブ海峡は、エジプトのスエズ運河への戦略的な入り口であるため、そこでのトルコの存在は、将来エジプトにとって大きな軍事的圧力となる可能性がある。

さらに、アフリカの角でのトルコの存在は、有望な市場と豊富な投資機会に恵まれたアフリカ大陸への、同国のより広範な勢力拡大意図を表している。

トルコの軍事活動はアラブ世界の北部に達しており、イラク北部のクルディスタン地域のバシカに軍事拠点を置いている

シリアで最初のトルコ軍基地—アレッポ近くのシェイク・バラカット山の頂上—の建設は、昨年11月に完了した。

直接の軍事介入とシリアの武装民兵勢力を利用したトルコのリビア紛争への参入は、オスマン帝国を復興したいというアンカラの願望を裏付けている。

リビアへの軍事介入は、1月2日にトルコ議会が決定したリビア領土でのトルコ軍の配備承認から始まった。

アンカラは、フェイエズ・アル・サラジが率いる国民統一政府(GNA)を支援し、全面的に介入を始める前には、情報かく乱戦術でリビアに干渉をはじめ、今や陸軍元帥ハリファ・ハフタールが率いるリビア国民軍と向かい合っている。

トルコの介入によりバランスが崩れ、トルコの支援を得たアルウェファク政府は国民軍をトリポリ近辺からシルテへと追い詰めている。

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