

ワシントン:米当局はIS(イスラミックステート)指導者アブ・バクル・アル・バグダディの遺体を処理したが、現時点ではその死に関する写真やビデオ映像を公開する予定はない。10月28日、米統合参謀本部議長のマーク・ミリー陸軍大将が語った。
米軍部隊が迫ってくるとアル・バグダディは自爆用ベストを爆発させて自殺した、と27日にドナルド・トランプ大統領が語った。また、「遺体の処理を行い、完了した。適切に処理した」と、国防総省のブリーフィングでミリーが記者団に語った。
それとは別に米当局者は、アル・バグダディには宗教儀式を伴う水葬が海で施された、とロイターに語っている。
「米軍部隊は障害を取り除きながら攻撃目標へと向かい、トンネル内にアル・バグダディが隠れているのを発見した。急襲部隊がアル・バグダディに迫ると、バクダディは自爆用ベストを爆発させ、すべてが終わった」とミリーは語った。
その後この過激主義者の遺体は安全な施設に移され、法医学的なDNA検査で身元の確認を行った。
「遺体の処理を行い、完了した。適切に処理した」と、ミリーは付け加えた。
2011年にパキスタンでヘリコプターによる同様の急襲作戦で米軍部隊に殺害されたアルカイダ指導者オサマ・ビンラディンも、海で水葬を施された。
アル・バグダディの急襲作戦の際に、米軍部隊は2人の男を捕虜にした。
「2人は我々の拘束下にあり、安全な施設にいる」と、ミリーは付け加えた。だが、捕虜の身元の詳細やアル・バグダディとの関係を明らかにすることは拒んだ。
週末の夜間に実行されたシリア北部での米特殊部隊によるこの急襲作戦では、アル・バグダディ傘下の戦闘員もかなりの人数が殺害された。
アル・バグダディは最期の瞬間に「べそをかいて泣き叫んでいた」と同国大統領は語っていたが、ミリーはこの発言の確認ができなかった。
同高官は、その主張に関するトランプ大統領の情報源が誰かは承知していないが、大統領は「部隊メンバーと直接」話をしたのではないかと思う、と記者団に述べた。
しかしながら、ミリーは機密解除の手続きを経た後に作戦のビデオ映像の一部が公表される可能性を確認した。
アル・バグダディの死によってISは「精神的指導者」を奪われたが、シリアの治安状況は「複雑なまま」だ、とマーク・エスパー国防長官がブリーフィングで語った。
そして、シリア北東部の主要な油田の支配権を維持するために米軍部隊を配備している、と付け加えた。
米軍はこの戦略的に重要な地域に引き続き配備され、ISが「これらの重要な資源へのアクセス」を手にする事態を許さない。油田の安全を脅かすどのようなグループに対しても、「圧倒的な軍事力」が行使されることになる、とエスパーは語った。
アル・バグダディの死によって世界からテロが取り除かれるわけではないし、進行中のシリアの紛争が終わるわけでもない。だが、「アメリカの決意に疑う者にメッセージ」を送ることになる、とも述べた。
「米国は世界の他のどの国にもまして強大な力を有しており、アメリカ国民に危害を加えようと考える者を地の果てまでも追いかける意志がある」
ロイター/AFP