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スーダンはイスラエルとの和平発言をした報道官を解任

スーダンのハイダル・バダウィ・サディク外務省報道官は、イスラエルとの和平への支持を表明した翌日、8月19日に解任された。(提供)
スーダンのハイダル・バダウィ・サディク外務省報道官は、イスラエルとの和平への支持を表明した翌日、8月19日に解任された。(提供)
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20 Aug 2020 06:08:22 GMT9
20 Aug 2020 06:08:22 GMT9
  • アメリカの支援を受けて、スーダンとイスラエルの政府関係者の協議は数か月間続いている、とあるスーダン政府関係者はAP通信に語った

カイロ:スーダンは8月19日、同国がイスラエルとの和平合意に至ることを歓迎する、と発言した外務省報道官を解任した。

この出来事は、UAEとイスラエルが関係正常化に合意したという爆弾声明の後に起きた。実現すれば、UAEはイスラエルと国交を正常化するアラブ諸国で3番目の国となるだろう。

スーダンのオマール・カマール・アルディン外務大臣代理は、ハイダル・バダウィ大使が「イスラエルと和平協定を結ぶことを歓迎する」と発言したことを受けて、バダウィ大使をその役職から解任したと述べた。

「スーダンとイスラエルが敵対する理由は何もありません」と、バダウィ大使は言った、とスカイニュースアラビアは伝えていた。イスラエルとの「コミュニケーションが存在していることを、私たちは否定しません」と、同大使は付け加え、両国はこの協定から多くのものを得るだろうと述べた。バダウィ大使の発言はすぐに、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相から、取り決めをまとめるために「必要なあらゆることを行う」という約束を引き出した。

カマール・アルディン外務大臣代理は、バダウィ大使の発言から距離を置こうとし、こうした発言を「驚きと共に」受け止めたと述べた。外務省はイスラエルとの関係の問題を議論したことはない、と同外務大臣代理は主張した。

2月にネタニヤフ首相は、ウガンダへの極秘旅行の間、暫定軍事評議会の議長、スーダンのアブデル・ファタハ・ブルハン大将と会談し、そこで両者は、関係正常化を目指すことを約束していた。

「イスラエルの首相との会談で、ブルハン議長はスーダンを正しい方向に向けました」と、バダウィ大使は語った。

アメリカの支援を受けて、スーダンとイスラエルの政府関係者の協議は数か月間続いている、とあるスーダン政府関係者はAP通信に語った。

「これは時間の問題です。私たちは全てをまとめているところです」と、記者に話す権限を与えられていないので、匿名を条件にその関係者は語った。「UAEの動きは私たちを勇気づけ、スーダン国民からの反発を恐れる政府内の代弁者の中には、これにより大人しくなった者もいました」

イスラエルのスーダンとの取り決めは、パレスチナ人がもう1歩後退したことを際立たせることになるだろう。パレスチナ人は長い間、アラブ諸国がイスラエルと関係正常化をする条件として、イスラエルがパレスチナ人に譲歩するように要求することを当てにしてきた。アラブ諸国のパレスチナ支持というこの壁は、イスラエルに対するパレスチナ人の強みの1つとしての機能を長らく果たしてきた。

大多数がアラブ系国民のスーダンは、1967年の第三次中東戦争の後、画期的なアラブ連盟の会議を主催し、そこでアラブ諸国8カ国は、イスラエルに対して和平せず、承認せず、交渉せずという「3つのノー」を承認した。

しかし近年、このような敵対心は和らいできている。

スーダンは現在、民主主義への脆い道を歩んでいる。2019年4月に軍主導の民衆蜂起が、オマル・アル・バシール前大統領を退陣に追い込んだ後、スーダンは現在、民主主義への心もとない途上にある。軍民共同統治政権がこの国を支配し、選挙は2022年後半に実施されると思われている。

ブルハン、ネタニヤフ会談のときに、スーダン武装軍は、世界ののけ者国としてのスーダンの地位を終わりにするために役立つ取り組みだ、と述べた。

アメリカによるテロ支援国家への指定と関連した制裁を、スーダンは解除しようと必死になっている。これはスーダンの孤立を終わらせるための重要な一歩となり、疲弊した経済を建て直すことにもなるだろう。アメリカとイスラエルは、強固な結びつきの同盟国だ。

テロ支援国家への指定は、1990年代に遡る。この時代、ウサーマ・ビン・ラーディンや、その他のお尋ね者の過激派たちが短期間スーダンで暮らしていた。スーダンはまた、ガザ地区のパレスチナ過激派たちに、イランが武器を供給するパイプラインの役割を果たしてきたとも考えられていた。2009年にスーダンで、武器を積んだトラックの車列への空爆は、イスラエルの仕業だと考えられていた。

AP通信

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