• 代表団は5週間のタイムテーブルを組んで、委員会に推奨事項を最終化させ、次回の会合で提示させる予定

ハゼム・バロウシャ

ガザ市： パレスチナ各党派の書記長がベイルートにて「歴史的な」和睦協議を開催。9年前にカイロで行われた同様の会合は、意見の一致を見ず、物別れに終わった。

先週の会合はラマッラーからオンラインにより、マフムード・アッバース大統領を議長として開催され、ハマスとイスラム聖戦機構に加えてパレスチナ解放機構（PLO）の12の党派が参加した。

同会合で概して楽観的な展望が生まれ、両極に対峙する政治的ライバル、ファタハとハマスからさえも、笑顔、友情、礼節のあふれるものとなった。

PLO執行委員会のサエブ・エレカト事務総長は、アラアブニュースに次のように語った。「この会合は歴史的出来事であり、パレスチにおいて政治的に困難を抱える各派閥の団結、政治的協力体制と明確な業務メカニズムに関する合意の具体化、そして多くの課題に直面するパレスチナの立場を弱体化させている分断状態を終結させるためのタイムテーブル、これらを達成させるための道のりへ踏み出す重要なステップである」

ハマスの国内関係部門を統括し、同組織の政治局員でもあるフサム・バドラン氏は、アラブニュースに対し、この会合を設定したことは各派閥を統合するための必要なステップであったと述べた。

またそれは、長い間待ち望まれていた重要な出来事でもあり、「今後の展望と、イスラエル国の在り方が直面している危険性について、ハマスとファタハの間での詳細に及ぶ議論」の結果としてもたらされたものだったと彼は言う。

「我々ハマスは、あらゆる側面におけるパレスチナ人としての結束によってさらなる力が与えられると信じており、その点においてPLO は、すべてのパレスチナ人を受け入れる一つの家だと確信している。

「しかし、PLO はあらゆる党派や民間の社会的機関に属する人々全員と、バランスのとれた国家的指導者を含める必要がある」とバドラン氏は続けた。

エレカト事務総長は、同会合で出された委員会による推奨事項に対してアッバース大統領の承認を得ることが重要であり、それによって統一という使命を成功させることへのパレスチナ大統領の関心が明確に確認できると言う。

エレカト事務総長によると、代表団は5週間のタイムテーブルを組んで委員会に推奨事項を最終化させ、次回の会合で提示させる予定で、そこには各党派の書記長、PLO幹部及び中央執行委員会のメンバー、そして政治的・宗教的指導者たちが出席するという。

同委員らは次の3つの主要な問題について議論している：多くの支持を集める平和的抵抗運動、国家的・政治的プロジェクト、そして政治的提携関係およびPLOの再建。

2007年の分断以来、PLO は二つの主要な党派の多くの理解と合意事項が成功するのを阻み続けている。

バドラン氏は「パレスチナ国民全体を代表する強力で統一されたPLOであれば、『ストーカー』への道を阻むであろうし、自らの政策を正当化しようとする党派に対しては、『パレスチナ国民は一部の人間によって代表されることはない』と宣言してその扉を閉ざすであろう」と語る。

協力への新たな前向きなムードの中、ウエストバンク地区からの5人の閣僚たちから成る閣僚代表団がガザ地区を訪れ、同地区におけるコロナウィルス感染症（COVID-19）の感染拡大を抑止する方策について話し合った。

しかし、政治科学のイブラヒム・アブラシュ教授は、アラブニュースに対し、先週の会合の成功はリーダーたちの笑顔よりもむしろ、会合からの成果によって判断されることになると語る。

彼によると、パレスチナの現実を正すには、「党派の書記長らによる会合を行ったり、設置された委員会の結論を待つだけでなく、全員による継続的努力が必要とされる」という。

政治アナリストでマサラト政策戦略研究センター（Masarat center for policy research and strategic studies）のハニ・アル＝マスリ所長は、同会合の真の意図について懐疑的なパレスチナ人もいる一方で、彼らが一堂に会したこと自体が重要であり、脆弱なパレスチナの結束を強化する一つのステップとなったと述べる。