




チュニス:先週のニースでの致命的なテロ行為の実行犯が、チュニジア人テロリストとされた後、チュニジア政府は11月6日、過激派であると疑われているチュニジア国民をフランスから引き取ると述べた。
しかし、タウフィク・シャルフェディン内務大臣は、フランスのカウンターパート、ジェラルド・ダルマナン内務大臣との会談後、過激派たちの本国送還は条件付きだと述べた。
フランスの元植民地、チュニジアは、「いかなるチュニジア人でも受け入れる用意が」ある、とシャルフェディン内務大臣は述べた。
「しかし、これは条件と法令に従って行われなければなりません」。勿論、国際法に基づいて、本国送還される「チュニジア人の威厳を守る」かたちで、とシャルフェディン内務大臣は報道陣に述べた。
ダルマナン内務大臣に近い情報筋は、この会談に先立って、テロの罪で有罪判決を受けたことや、過激派の傾向が疑われていることに基づいて、フランスが国外追放したいチュニジア人約20名のリストを、大臣がチュニジア当局に提出する予定だと語った。
このフランスの内務大臣は同様の任務を負って、8日にはアルジェリアを訪れる予定だ。
チュニジアの世論は、テロ容疑者の帰国に反対であり、チュニジア当局は、新型コロナウイルスのパンデミックによる渡航制限に基づいて、フランスからのチュニジア国民の帰国を拒否している。
この10年間で、シリア、イラク、リビアでの外国人テロリストの人数の中で、チュニジア国民の人数は大きな割合を占めている。
2015年に、約5,000人のチュニジア人がイラク・レバントのイスラム国(ISIL)に参加するために、主にシリアとリビアに押しかけていたと国連は発表したが、チュニジア当局はもっと低い数字、3000人と伝えていた。
過激派たちの本国送還は、チュニジアで不安材料となっている。2015年と2016年にISILが犯行を主張する一連のテロ攻撃をうけて、チュニジアは非常事態宣言を度々発令してきた。
ダルマナン内務大臣のチュニス訪問は以前から予定されていたものだが、10月29日、フランス南部の都市、ニースの教会で3人が刺殺された事件をうけて、この訪問は緊急性を帯びてきた。
9月下旬にヨーロッパに不法入国していた21歳のブラヒム・アウイサウイが、このテロの容疑者とされているが、ヨーロッパで致命的なテロ行為を実行したチュニジア人は、アウイサウイ容疑者が初めてではなかった。
2016年に、31歳のモハメド・ラフエジブフレル容疑者が、ニースの海岸沿いでフランスの革命記念日を祝う群衆にトラックで突っ込み、86人を殺害していた。
その年のうちに、仲間のチュニジア人、アニス・アムリ容疑者(24歳)がベルリンのクリスマス市で同様のテロ行為を実行し、12人を殺害した。
ISILは両名が信奉者であると主張していた。
ダルマナン内務大臣は、カイス・サイード大統領とも会談した。サイード大統領は、フランスからの追放要請に直面して、チュニジアは「発生し得る障害の解決策」を見出そうとしていると強調していた。
国民を本国送還するように、ヨーロッパ諸国の政府がチュニジアに「圧力をかけて」いることを、非難する異議申し立て書を発表する非政府機関もいくつかあった。
チュニジア人権連盟を含むグループは、ヨーロッパの国々が、不法移民を国外追放するために、テロリストたちが起こした犯罪がきっかけとなって生じた恐怖を利用していると述べた。
ダルマナン内務大臣は、アルジェリアで不法移民について話し合う予定であり、その後マルタへも訪問予定だ。
チュニジアからヨーロッパ大陸への不法渡航は増えており、多くの者が変革をもたらすことを望んだ2011年の大衆革命の後の経済的苦境が主な理由で、さらにこの動きは助長されている。
ダルマナン内務大臣に近い情報筋は、フランスからの国外追放は慣習法上の犯罪者も対象にしており、新型コロナウイルスのパンデミックのために、公衆衛生上のプロトコルも考慮に入れるだろうと語った。
こうした情報筋によると、フランスに不法入国し、過激派の疑いをかけられた230人を超える外国人のうち、70パーセントがチュニジアとアルジェリアを含むマグリブ地域出身者と、ロシア出身者だという。
AFP通信