
エフレム・コサイフィ
ニューヨーク: 国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)は25日、アメリカの大統領ドナルド・トランプがイラクでブラックウォーターの民間軍事会社の兵役経験者であった4人に恩赦を与えたことを「深く憂慮する」と述べた。
4人は裁判にかけられ、アメリカの裁判所曰く、17人のイラクの民間人をマシンガンとグレネードランチャーで不当かついわれのない射撃で死に至らしめた罪で有罪判決を受けた。
虐殺は2007年9月16日、バグダッドのニソール広場で起こった。犠牲者の一人は医学生で、その母親とともに亡くなった。また2人は9歳と11歳の少年だった。この殺害事件は世界中の怒りを買うことになった。
ブラックウォーターは元ネイビーシールズの一員だったエリック・プリンスによって創設され、彼は後にトランプの近しい協力者となった。
この軍事会社は契約で数十億ドルを受け取り、職権乱用に対する度重なる非難をもろともせず事業を拡大していった。
4人のブラックウォーターの衛兵、ニコラス・スラッテン、ポール・スラウ、エヴァン・リバティ、ダスティン・ハードは2014年に有罪判決を受けた。
最初の銃撃の口火を切ったスラッテンは終身刑になり、他の3人は故殺罪で30年の禁固刑となった。
長引いた捜査の果て、愛する者を失った30人のイラク人目撃者がアメリカに渡り、裁判で証言をすることとなった。
「(4人の)恩赦は刑事免責に寄与し、将来このような犯罪に手を染めるように他の者をけしかける効果がある」とOHCHRの女性報道官マルタ・フルタドは語った。
ホワイトハウスは声明の中で、4人が長期にわたって国に仕えてきたこと、彼らの恩赦は「公衆によって広く支持されている」ことを挙げ、また選出された議員の数人も支持していると述べた。
ホワイトハウスはまたこの事件には証拠の問題があると主張し、検察官らが依拠したイラク人の捜査主任には「反政府グループと彼自身の繋がりがあったかもしれない」と述べた。
この声明は虐殺のストーリーを「突然状況が暴力的なものになり、結果としてイラクの民間人が死んだり負傷したりした」不幸な瞬間に作り直すものであった。
だがフルタドは言う、「これらの犯罪を捜査し、法的手続きを完了することでアメリカは国際法におけるその義務に従いました」と。
彼女は続けて言う、「酷い人権侵害と国際人道法の重大な侵害を受けた被害者にも是正を求める権利があります。この中には常習者が彼らの行いの重さに見合った刑罰を全うするのを見届ける権利が含まれます。」
彼女はアメリカ政府に「酷い人権侵害と重大な国際人道法の侵害に対する刑事免責に真剣に立ち向かう姿勢を取り戻すこと」を促し、「同時に、そのような犯罪に対する説明責任を国が担保する義務を守ること」を求めた。