

アラブニュース
ジッダ: 中国の国会は27日、海外でのいわゆる反テロリズムの取り組みを強化するためにトルコとの容疑者身柄引き渡し合意を批准した。
しかし批評家たちは警告する、合意はトルコ語を話す少数民族であるウィグル人を本国送還するよう外国の政府に対して加えられる経済、外交の圧力と連携して使われることになると。
その協定は2017年に北京を訪れていた時にトルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンが署名したものだが、まだトルコの国会で批准されていない状況だ。
メディアは、身柄引き渡し協定が中国政府にトルコへの投資を強化し、コロナウィルスワクチンをこの国でもっと売るための交渉の切り札として用いられる可能性があると推測した。
中国はすでにシノバック社製ワクチンの1回目の貨物納入を「税関関連の問題」が起きた後で7日間遅らせている。
中国政府がトルコとの交易とビジネスに関する繋がりを調節することも予想される。トルコは外資が切迫して必要であり、トルコ政府が近い将来身柄引き渡し協定を批准することに積極的なことを当てにしてのことだ。
中国はいまだにトルコの最大輸入国の一つである。
トルコから中国に向けた物資を載せた最初の汽車は26日に目的地に到着した。8,693キロメートルの距離を走破した。
しかしボロボロのトルコ経済が外資準備金の枯渇に直面しているにもかかわらず、専門家は言う、トルコは「その合意をすぐには批准したりはしないだろう」と。
トルコの国内状況が意味していることは、この合意がウィグル系マイノリティーに損害を与えるという非難を巡って与党が愛国的な連立パートナーを失う危険があるということだ、とその専門家は語った。
「脆弱な政治状況の最中、もし政府がその法案を国会で批准する方向で進めるならば、野党と連立パートナーから手痛い一撃をもらうことになる可能性が高い」と専門家はアラブニュースに語った。
もしもトルコの国会でその合意が可決されることになれば、トルコにいるウィグル人の難民は中国に本国送還の目にあうことになるだろう。彼らがテロを起こしたとか政治犯罪に手を染めたと糾弾された場合だ。
但し、ウィグル人たちにトルコの市民権が認められるのであれば、身柄引き渡しの要求はトルコ当局によって拒否されることもありうる。
今年初めに亡命中のウィグル人たちを第三国、ほとんどの場合タジキスタン、を経由して中国に送還したのを受けて、激しい非難をトルコの政府はすでに受けたばかりである。
数人のウィグル人によって出された長期滞在申請もまたトルコによって拒否されたと批評家たちは述べたが、トルコ政府はその主張を否定した。
トルコの第一野党がウィグル人たちを中国がどう扱っているかを調査する議会委員会を設立しようと動議を提出したが、今年の初めに与党によって否決された。
中国当局にトルコにいる仲間であるウィグル人について情報を出すよう強要されたと主張したウィグル人の男性ユスフジラン・アイマイティジャンは先月イスタンブールで二度銃撃を受けた。
ウィグル人の難民がテロ関連の申し立てを巡ってトルコ警察に尋問されているという主張もまた増加している。
およそ5万人のウィグル難民がトルコに住んでいると信じられている。多くの者が中国北西部で起こった一斉検挙を逃れてきた人たちで、トルコを安全な避難所だと見ている。
イスタンブールのヨーロッパ側にあるいくつかの地域はすでにウィグル人たちに人気のある場所となっており、彼らは地元のトルコ人に連帯の心で歓迎されている。
中国はウィグル人を標的とした政策と再教育キャンプにおける強制労働の利用に関して世界中の非難を集めてきた。
中国の国務委員にして外務大臣である王毅は最近になってトルコの外務大臣であるメブリュト・チャブシオールと電話会談を行った。
中国の外務省が出した声明によると、12月14日に行われたその電話で王毅は「双方がテロに対して立ち上がるべきだ」と語った一方、チャブシオールはトルコが「中国の主権と領土保全を弱体化させることを許すことはない」と語ったとされている。
7月に開かれた国連人権委員会で、中国における構造的な人権侵害を調査するよう促した22か国からなるグループにトルコは参加していなかった。