ブライアン・キム

• イランは韓国の銀行口座で凍結された資金へのアクセスと船の解放を関係付けている

ソウル：韓国とイランは、1週間前のイラン革命防衛隊による石油タンカーの拿捕をめぐって、合意に達することができていないと、月曜日にソウルの外交官が報じた。

その前日、チェ・ジョンクン外務副大臣がテヘランに到着し、ホルムズ戦略海峡付近でイラン軍に拿捕された韓国籍のMTハンコック・ケミ号の釈放について演説した。チェ氏の訪問は、同省アフリカ・中東担当のコ・ギョンソク局長率いる代表団の訪問に続いて行われた。

この連続訪問をよそに、イラン当局は、韓国人5人を含む20人の乗組員を乗せた船の解放を求めるソウルの要求にも関わらず、米国の制裁の中で凍結された70億ドルの資金を開放するようにソウルに迫ったと、韓国の省当局者が匿名を条件に記者団に語った。

当局者によれば、チェ氏は到着後、イランのアッバス・アラグチ外務副大臣と会談し、船員と船の迅速な解放を強く要請したという。

「チェ副大臣はイランに対し、拿捕された石油タンカーとその船員の解放を再び求めた。」とも語った。 「彼はイランに対し、船舶が海を汚染したという主張を裏付ける証拠を提示するようにも求めた。」

しかしイランは、環境規則違反に関連した「技術的な問題」が原因で船が拿捕されたとの主張を繰り返し、代わりにソウルに凍結された資金の解放を求めたと、当局者とイランの国営メディアは報じている。イランの副外相による「韓国におけるイランの外貨資金の凍結は、米国の制裁よりも韓国政府の政治的意志の欠如によるものだ 」という発言がイスラム共和国通信（ＩＲＮＡ）によって伝えられている。

イランの外交官がソウルは「問題を政治化することや、実りのないプロパガンダを控え、法的手続きを進めることを認めるべきだ」と述べたとイラン国営テレビが報じた。

ソウル外務省は、1月6日に国会に提出した報告書の中で、タンカーの拿捕を巡ってイスラム共和国に対して法的措置を取る準備をしていることをほのめかした。

「船の無実な通過を否定する”意図的かつ重大な汚染行為”を証明するものがない限り、国際法違反は発生していないと判断する」と報告書は述べている。

DR＆AJU法律事務所のソン・ウリン弁護士は、イラン軍は明らかに国際法に違反していると述べた。

「タンカーは通常、船体が二重構造になっているため、船同士の衝突などの特殊な場合を除き、油が漏れる可能性はとても低い。」とも語った。「万が一、船の拿捕で配送が遅れた場合、船主は損害賠償を請求することができる。」

法的紛争は拿捕の長期化につながる可能性があるため、外交で解決するのが両国政府にとって最善の方法だという。

ハンコック・ケミ号の拿捕は、ソウルからコロナウイルスワクチンを購入するための送金が困難であるとのイランの先月の訴えに続いて行われた。

トランプ政権が2018年にテヘランとの核合意から離脱した後、韓国の2つの銀行口座にある70億ドル相当のイランの資産が凍結された。

ソウルとテヘランは行き詰まりを解消するために、凍結された資金を使って10億ドルの医療機器を購入することを協議した。イランは、世界的なワクチン調達施設COVAXからワクチンを購入するために、凍結解除された資産から1000万ドル以上の資金を使うことも要求した。