
ニューヨーク:ロイターが木曜日、国連安全保障理事会に宛てられた書簡で確認したところでは、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、リビアに派遣する特使としてベテラン外交官のヤン・クビスを任命することを計画している。前任者が辞任してから既にほぼ一年が経過している。
金曜日の夜までに15名の理事会の誰からも異議がなければ、クビスが昨年3月にストレスで辞任したガッサン・サラメの後任となる。サラメの代理のステファニー・ウィリアムズが現在リビア特使を務めている。
元スロバキア外相のクビスは現在、国連レバノン特別調整官を務めている。これまで、アフガニスタンとイラクに対する国連特使を務めた経験もある。
当初グテーレス事務総長は、12月にブルガリアの外交官ニコライ・ムラデノフをリビアの特使に任命する案を安保理に諮り、その承認を受けている。ところが、その一週間後にムラデノフ自身が、「個人、家庭の理由」で就任を固辞している。今回クビスの任命を諮るのは、こうした事情を受けてのものとなる。
そもそもこうした混乱は、米国が国連の政治的使命を担当する者と調停作業に専念する特使を分けるべきだと主張したことから始まる。この主張に対し、安保理で数ヶ月間意見の対立状態が続いたが、最終的に9月に同意されている。
外交官筋によると、当時国連中東特使だったムラデノフのリビア特使任命案の承認は、一部の理事会メンバーがグテーレス事務総長に対し、まずムラデノフの後任としてイスラエルとパレスチナ間の調停にあたる者を先に任命することを求めた為、遅れた。
12月になってようやく理事会はムラデノフの後任にノルウェーのトル・ウェネスランドを承認した。
リビアは、2011年にそれまでの指導者ムアンマル・カダフィをNATOの支持勢力が転覆後、混沌とした状態に陥っている。昨年の10月、ようやく国際的に認められた国民合意政府(GNA)と、東部に拠点を置くハリファ・ハフタル率いるリビア国民軍(LNA)の2つの主要勢力が停戦に合意している。
ハフタルはアラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、ロシアの支援を受け、国民合意政府はトルコの支援を受けている。