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レバノンの抗議運動者らがロックダウンにあらがう:「餓死するよりCOVID-19 で死んだほうがまし」

2021年1月26日、トリポリにて、コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大の中、 ロックダウンと悪化する経済状態に対する抗議運動中に、抗議運動者たちが政府のセライルビルに石を投げる。(ロイター)
2021年1月26日、トリポリにて、コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大の中、 ロックダウンと悪化する経済状態に対する抗議運動中に、抗議運動者たちが政府のセライルビルに石を投げる。(ロイター)
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27 Jan 2021 09:01:28 GMT9
27 Jan 2021 09:01:28 GMT9
  • 何百人もの人々がトリポリ、シドン、ベイルートなどの市街に押し寄せ、経済活動の停止を非難する

ナジャ・フーサリ

ベイルート:コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑止するため、レバノンにおけるビジネス閉鎖と外出禁止期間がさらに2週間延長され、トリポリ、ベイルート、シドンの人々が市街に押し寄せた。

これらの抗議運動は自然発生的に起こった。人々が決起した地区は貧しく、その住民たちは日々のわずかな稼ぎのために働いているからだ。

1月26日(火)、暫定政府のラムジー・マシュラフィーヤ社会問題・観光相は、「レバノンの23万世帯が補助金を受けており、コロナ危機が発生以来毎月40万レバノンポンド(263ドル)を受けとっている」と述べた。「レバノン市民の25%は補助金を必要としていない」と言う。

何百人もの人々がトリポリ、シドン、ベイルートなどの市街に押し寄せ、経済活動の停止とそれを補填するものが支給されないことにたいして抗議した。

抗議運動者の一人はこう言う:「家族がいながら私が餓死するよりは、COVID-19に感染して死ぬほうがましだ。」

1月25日(月)、トリポリの抗議運動者たちは、数日間にわたって忍耐の限界を訴え、市の役人たちの自宅の外で抗議を続けた後、アルヌア広場に繰り出した。

抗議運動者の一人はこう言う:「COVID-19など我々は恐れない。こんな惨めな生活にはこれ以上耐えられない。権力者たちが我々を飢えさせ、強奪してきたのだ。」

抗議運動者たちは軍隊や国防軍などの治安部隊と衝突し、彼らに石や水入りの瓶を投げつ けた。

彼らは極貧世帯に対する金銭的補償を求めて叫び続けた。そうした最も貧しい人々は2週間働くことができなかったばかりか、さらにもう2週間仕事に戻れないことになり、1ヶ月まるまる無収入状態となっている。

抗議運動は収拾がつかなくなり、暴徒化して何十人もの人々が逮捕された。数名の軍部職員がアルヌア広場における状況の沈静化のために配備された。機動隊は催涙ガスを使って抗議運動者たちを追い散らした。

レバノン赤十字によると、その抗議運動中6台の救急車が呼ばれ、41人が負傷したという。赤十字はそのうち12人を病院へ搬送し、29人は現場で手当てを受けた。

トリポリの抗議運動者たちを支援して、ベイルート中心部ではリングブリッジに何十人もの人々が集結した。

活動家たちは安全強化体制の中、シドンのエリア広場で夜を徹して祈りを捧げた。抗議運動者たちはスローガンを唱えながら政界上層部の独断を非難し、そうした独断が経済破綻を悪化させたのだと訴える。

一部の抗議運動者は、レバノンの貧困層の60%がこうした政府の独断のために困窮しており、ロックダウン対策のために解雇された人々へのサポートが何も伴っていないと言う。

抗議運動はベーカーのタールバヤや海沿いの街ジーエにも飛び火した。抗議運動者らはベイルートの貧困地区からCorniche el Mazraa へ移動して道路を閉鎖したが、機動隊によって再び開通された。

一般労働組合を率いるベチャラ・アル=アスマル氏はアラブニュースにこう語る:「状況は混沌に向かっている。当局の決定はまるで熟慮されていない。国民に強制的に働くのをやめさせるなら、報奨金や補償金を支給するべきだ。閉鎖によって1日あたり12万人の労働者が影響を受け、しかもこれはすでに起きている深刻な経済危機の渦中でのことなのだ。」

さらに彼は言う:「生産を中断している工場については、閉鎖によって操業停止となっても工場が生き残り工員たちが解雇されないように、ロックダウンを免除しなければならない。

「海外の顧客と契約している工場は製品を届けるために一体どうすればいいのか?製造業はレバノンに新たな金をもたらし、市民に職を与える唯一の部門なのだから。」

アル=アスマル氏によると、政府が支給した補助金は「4万7千世帯を対象とし、さらに8千人のタクシードライバーが追加されているが、これは一般国民のニーズのごくわずかな割合に過ぎない」という。

さらに彼はこう述べた:「なんとか解雇されずにいる従業員たちは現在サラリーの半額またはごくわずかなサラリーしか受け取っていない。雇用者たちは赤字が続くよりもむしろビジネスを閉鎖したがっているからだ。」

そしてこう付け加えた:「我々は重大な社会的危機に直面している。日雇い労働者らは毎日の食べるものにも困っているのに、国は連絡会議を開くこともできずにいる。これでは一体どうやって影響を被っている人々に対する補償を提供することができるというのか?」

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