


パレスチナ自治区、ガザ地区: 戦火に見舞われたガザ中央部のデイル・エル・バラで、気温の急降下と大雨に直面したパレスチナ人の父親テイゼール・オバイドさんは、ささやかな生活の快適さを求めて穴掘りをしている。
オバイドさんは、戦争によって家族が避難している野営地の粘土質の土の中に、深さ2メートル近い正方形の穴を掘り、雨を防ぐために即席の木製のAフレームに張った防水シートで蓋をした。
「限られたスペースしかないので、地面を掘ってスペースを広げることを思いついた」
「それで90センチ掘ってみたら、大丈夫だった。スペースが少し広くなったのを感じたよ」と彼はシェルターから語り、子供たちは防水シートの梁となる板に取り付けた小さなブランコで遊んでいた。
やがてオバイドさんは180センチ(約6フィート)の深さを掘り、底にマットレスを敷き詰めた。
古くなった小麦粉の袋に砂を詰め、シェルターの入り口が泥だらけにならないように舗装し、穴の横には階段を作った。
粘土質の土は、電動工具なしで掘れるほど柔らかく、自立できるほど丈夫だ。
穴はイスラエル軍の空爆からある程度守ってくれるが、オバイドさんは、空爆が近くに着弾した場合、粘土質の土が崩れ落ちることを恐れているという。
「私たちの周りで爆発が起こり、土が崩れ落ちたら、このシェルターは私たちの墓場になってしまう」
ガザの住民240万人のほぼ全員が、14ヶ月以上にわたってパレスチナ領土を襲った戦争によって避難している。
国連の衛星センター(UNOSAT)は2024年9月、イスラエルが過激派組織ハマスと戦うために空爆を多用したこの戦争によって、ガザの建物の66%が損壊または完全に破壊されたと判断した。
戦闘から逃れてきたパレスチナ市民にとって、安全な建物がないということは、多くの人々が、主にガザ中心部と南部にあるその場しのぎのキャンプに集まらなくてはならないことを意味する。
沿岸部の完全封鎖による物資不足は、建築資材が不足していることを意味し、避難民は手近なものでやりくりしなければならない。
キャンプに詰め込まれた何千人もの人々にとって、適切な水や衛生設備がないために衛生上の問題が生じていることに加え、冬の天候は独自の苦難をもたらしている。
木曜日、国連のパレスチナ難民救済機関UNRWAは、2025年に8人の新生児が低体温症で死亡し、74人の子供が「冬の残酷な状況の中で」死亡したと警告した。
「私たちは昨年と同じ恐怖を背負って新年を迎える。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のルイーズ・ウォータリッジ報道官は、「子どもたちは凍死している」と述べた。
保健省が提供したデータによると、戦争が始まって以来、イスラエルのガザでの軍事作戦で、少なくとも46,537人のパレスチナ人(その大半は民間人)が死亡している。国連はこの数字を信頼できるものとして認めている。
AFP通信がイスラエルの公式発表に基づき集計したところによると、戦争の引き金となった10月7日の攻撃で、イスラエル側は1,208人が死亡した。
オバイドさんの掘っ立て小屋は、寒い冬の夜を多少は防いでくれるが、十分ではない。
暖をとるために、彼は煙突のようなものを掘り、暖炉で廃棄された紙や段ボールを燃やしている。
オバイドさんは自分の境遇を改善したが、彼の状況は依然として暗い。「もっと良い選択肢があれば、墓穴のような穴の中で生活することはなかっただろう」と彼は言う。
AFP