
ワシントン: 1月27日アントニー・ブリンケン国務長官は、「イラン政府が合意義務を履行するまでアメリカ政府が核合意に復帰することはない」とし、さらに「義務履行の評価には時間がかかる」との見通しを示した。
ブリンケン長官は長官就任後初めての記者会見にて、ジョー・バイデン新大統領が前任のトランプ大統領が離脱した核合意に復帰する意思があることを認めたが、アメリカ政府に先に行動するよう求めるイラン側の圧力を拒絶した。
「イランは多くの面で合意義務を履行していない。さらにイランが合意義務を順守すると決断したとしても、実行するには一定の時間が必要で、合意義務を果たしているとアメリカ側が評価するのにも時間がかかる」とブリンケン長官は記者会見で述べた。
「核合意に復帰するのは時期尚早と言わざるを得ない」
ドナルド・トランプ前大統領は、バラク・オバマ元大統領が主導し成立した2015年の核合意から離脱しイランに経済制裁を発動した。
それに対抗しイランは、核開発計画の主要部分を制限することと引き換えに経済制裁を解除させていくという核合意(正式名称「包括的共同行動計画:JCPOA」)における合意事項からの逸脱行為を繰り返すようになった。
「イランがJCPOAに基づく義務を完全に順守するようになれば、バイデン大統領はアメリカ側も経済制裁を解除すると明確に述べている」とブリンケン長官は述べた。
しかしイランのモハンマド・ジャバド・ザリフ外相は、アメリカ政府が先にトランプ政権の科した経済制裁を解除するよう迫った。経済制裁にはイランの主要な輸出品目である石油の禁輸などが含まれる。
トランプ前大統領の影響力が残る共和党が議会で過半数を割ってはいても核合意に断固反対しているため、先に合意を履行してもアメリカ側が制裁措置を緩和する保証はないとイラン政府は懸念している。
AFP通信