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大使「国連にはパレスチナ人民を助ける手段があるが、その意志を強めることが必要」

4日(木)、「パレスチナ人民の固有の権利行使に関する委員会」(国連パレスチナ委員会、CEIRPP)で演説を行うパレスチナのリヤド・マンスール大使。(パレスチナ国連派遣団、Twitterより)
4日(木)、「パレスチナ人民の固有の権利行使に関する委員会」(国連パレスチナ委員会、CEIRPP)で演説を行うパレスチナのリヤド・マンスール大使。(パレスチナ国連派遣団、Twitterより)
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05 Feb 2021 03:02:50 GMT9
05 Feb 2021 03:02:50 GMT9
  • 世界がパンデミック後の「より良い再建」を目指す中、大使は「パレスチナが崇高な目標から除外されない」よう求める
  • 国連パレスチナ委員会は年間計画の策定に当たる

エフレム・コサイフィ

ニューヨーク:パレスチナのリヤド・マンスール国連大使は4日(木)、パレスチナ人民が直面し続ける問題に関して、国際社会に対して解決への意志を新たにする姿勢を求めた。

パレスチナ・イスラエル間の紛争に和平をもたらすための手段は主に国連決議の形を通して、国際社会の支援を受ければ公正な解決のための枠組みとなりうるが、「欠落しているのはそのための意志だ」とマンスールは述べた。

「我々は本日、過去の過ちから学び失敗の繰り返しを避ける意志を、そしていかなる状況下でも法律を遵守するという意志を求め、訴えるものである」と大使は述べた。

この発言は「パレスチナ人民の固有の権利行使に関する委員会」(パレスチナ委員会、Inalienable Rights of the Palestinian People(CEIRPP))の年間計画策定のため集まった会議での演説の中でなされたもの。同プログラムは国連総会にて年間の任務が更新されて以来初の会議となったこの場で、満場一致で採択された。

パレスチナ委員会は、パレスチナの人々の窮状および占領下で日々直面する困難に関する世界的な認知向上に向けて取り組んでいる。そのため国際会議の開催や、ニューヨークの国連本部でのパレスチナ人民への教育プログラムの主催、民間友好団体との協調を図り、毎年11月にはパレスチナ人民連帯国際デーを率いている。

国連総会は1975年にパレスチナ委員会を制定し、パレスチナの人々が「自己決定・独立・主権に関する不可譲の権利」を行使し、「追われた故郷や所有地に帰る」ことを可能にする実施計画を勧告した。

今回は第402回の会議であったが、ガイアナ代表の言葉の通り、「この委員会を設立した人々は、一世代後になってもパレスチナにとって公正で永続的な解決に至らないことになるとは想定しなかったに違いない」。

パレスチナのマフムード・アッバス大統領が西岸地区、ガザ、 占領下にある東エルサレムにおける15年ぶりの評議会選および議長選の計画を発表してからわずか数週間が経ったばかりだ。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は冒頭のあいさつで、これらの選挙によりパレスチナが国家機関として改めて正当性を与えられるものだと述べた。

「選挙はすべての人に平等な権利を担保し、法の支配に基づき民主的なパレスチナ国家を建立するうえで不可欠な要素だ」とグテーレスは述べた。「これらの取り組みへの委員会の支援は極めて重要だ」

パレスチナの人々へのコロナウイルスの影響は、10年以上封鎖状態に置かれたガザで特に深刻となっている。

グテーレスは委員会会長のシェール・ニャンセネガル大使と副会長らとともにイスラエルに対して国際協定を順守し、捕虜や拘留者を含むパレスチナの人々もコロナワクチンの接種を受けられるようにするよう促した。

委員国は国際法および国連決議に準拠した、1967年以前の国境に基づく二国家解決への決意を新たにした。これはエルサレムを両国の首都とし、イスラエル人とパレスチナ人が平和と安全の下で共存するというものである。

アッバスによる最近の国際和平会議の呼びかけも前向きな一歩として評価された。これは国連および中東4者協議の現在の参加国(国連、EU、米国、ロシア)に地域各国が加わった「拡大版中東カルテット」の支援により開催されるものだ。

グテーレスは国際世論を動かし、パレスチナ・イスラエル間の和平交渉を再開させる取り組みを支援するという、パレスチナ委員会の役割の重要性を強調した。またグテーレスは両国に対し、交渉再開の可能性を脅かしうるような単独行為を控えるよう促した。

ニャンは「占領下のイスラエル人入植地は国際法に反しているということを、いまなお思い起こさせる必要があるのか?」と疑問を呈した。

ニャンは、イスラエル当局が2020年に発表した12,000軒の住宅建設に加えて最近西岸地区への800軒の住宅建設を発表したこと、およびイスラエル法の下で違法となる2ヶ所の開拓地を遡及的に「合法化」したことについて国際社会が非難していることを付け加えた。

またニャンは、「エルサレム地域にパレスチナ人とユダヤ人入植者を分断する新しい道路が建設された。この道路は、イスラエルのメディアやイスラエルの人権団体にすら『アパルトヘイト道路』と呼ばれている」と述べた。

このようなイスラエルの動きは、ガザの悲惨な状況と相まって「当事者間の信頼関係を損ねるものだ」とニャンは語った。

ニャンは、公正で永続的な紛争解決があって初めて「我々がテロ、暴力、貧困、排斥等、中東を超えた課題に向き合うことが可能となる」と結論付けた。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、ドナルド・トランプ前大統領が米国の資金的援助を引き上げて以来財政難に直面している。

後継者のジョー・バイデン米大統領は支援を復活させることを約束したが、委員会は「パレスチナの人々に国際的な連帯を寄せる」ために十分かつ持続可能な資源をUNRWAが確保できるよう、すべての国連加盟国に対して協力を求めた。この件について議論するため、フィリップ・ラザリーニUNRWA 事務局長との会議が今月開催される。

「かつてないほどに求められる各国の高潔な連帯に対し、深く感謝申し上げる」と、パレスチナのマンスール大使は委員会に述べた。

「国際社会がコロナウイルス、他にも貧困、飢餓、気候変動、紛争などの危機、そしてそれらによりもたらされる人道的・社会経済的および安全保障上の影響に直面する中、『より良い再建』という目標は包括的で、広い層を取り込むものでなければならない。このような崇高な目標においてパレスチナが除外されないよう、我々は求める」

パレスチナ委員会は多国間主義の本質、および紛争解決の鍵としての国際法を遵守する姿勢を象徴するものであるとマンスールは述べた。

「1975年に委員会を設立した先駆者の先見の明を認識し、評価しなければならない。我々よりずっと前に、公正な解決への道筋として対話、連帯責任、行動の精神をもって、平和的な外交的手段を模索していたのだ」とマンスールは付け加えた。

「まさにこの精神こそが今日最も求められるものであり、また法の支配および共通の価値観と目標に基づいてその他の世界的緊急課題に立ち向かううえで、この精神が広く発揮されているのである」

「問題が多すぎる、障壁が大きすぎる、今は平和のための大きな取り組みを行うべき時ではない、などと言う者がいる。そのような見方はこの委員会の任務と目的に反するのみならず、国連そのものの目的と原則に反するものである」

「人間の存在と生存の神髄である自由、権利、尊厳を否定された者にとって、これ以上重要なものはない。今は人権を守るべき時ではない、紛争を終結させ平和をもたらす時ではない、などとどうして言うことができようか?」

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