
ナジャ・フーサリ
ベイルート:レバノンのキリスト教聖職者のトップは木曜日、新政府を発足させるため、国内の政治家が一丸となるよう繰り返し呼びかけた。
マロン派の総主教ベチャラ・ブートロス・アル・ライは、レバノンを守るための国際会議、ターイフ合意を呼びかけ、何よりも「平等」を望んでいるが、彼の説教は誰の耳にも入らないようである。
昨年の8月4日にベイルートで起きた港の爆発事故の後、最後の政権が辞任以来、同国の議員は新政権の発足に合意できないでいる。
ミシェル・アウン大統領と首相に指名されたサード・ハリリの間の緊張も急激に高まっている。
「我々は意思疎通や合意に達することが不可能な段階に達している」とアル・ライ総主教は木曜日に述べた。
「問題を診断し、3つの変わらない措置に基づいて解決に導かなければならない。それが、ターイフ合意、憲法、憲章である。この国の問題はすべて外国勢力の介入によって引き起こされている」
ヒズボラ指導者のハッサン・ナスララはライ主教の提案を拒み、「国際管理下に置かれることは、新たな占領の隠れ蓑に過ぎない。どこの国からの干渉も受け入れない」と述べた。
ナスララの発言はソーシャルメディア上でキリスト教関係者の批判を呼び起こす一方で、アラブと外国の外交官でも、アル・ライ総主教を訪れ、彼の提案への支持を表明している者もいる。
「国民の団結と市民の平和を保証するターイフ合意を、今一度適切に実施する必要がある」と、サウジアラビアのワリード・ビン・アブドゥラ・ブハリ駐レバノン大使は述べた。
レバノン軍や進歩社会党(PSP)などの野党の代表団も総主教の元を訪ねている。
レバノン軍を代表してアントワーヌ・ハブシ議員は、「レバノンをイランとアメリカの紛争に引きずり込んだ結果、我々は地獄のような状況に陥っている」と語った。「レバノンが人質にされている現在、 国際社会に頼る以外に方法は無い」
PSPの党員であるガジ・アリディ元情報相は、レバノン大統領はハリリの首相就任を望んでいないと述べた。
アリディ元情報相はまた、アウン大統領の娘婿のゲブラン・バシル議員が率いる自由愛国運動(FPM)が政府の結成に参加しようとしていることに対して、反対の姿勢を示した。
「バシル議員が説く政府内での第三勢力の主張は躓きの石にしかならない」とアリディ元情報相は述べている。「第三勢力は無用の長物である」
FPMの代表団も木曜日にアル・ライ総主教と会談する一方で、バシル議員自身も電話で会談している。
ロジャー・アザール議員は、FPMの要求を繰り返し述べた。「FPMは、憲法の規範と条件の範囲内で、包括的な国家的パートナーシップの枠組みに基づいて、どんな提案でも議論する用意があることを総主教に伝えた」
元議員のアーメド・ファトファットは、アル・ライ総主教に対する攻撃は、レバノン国内で、他に変わるべき人がいない貴重な人材としての彼の地位を固めるだけだと述べた。
「アル・ライ総主教は基本に基づいて、明確な争いを仕掛けており、レバノン国内の全政党とコミュニティの支持を得ている」とファトファットは述べた。「脅迫は逆効果だ」