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東京五輪サイバー攻撃「想定内」=運営支障なく・組織委責任者

メールは少なくとも6000件確認されたが、組織委関係者で誤ってIDなどを入力した事例はなかった。(AFP)
メールは少なくとも6000件確認されたが、組織委関係者で誤ってIDなどを入力した事例はなかった。(AFP)
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12 Dec 2021 02:12:50 GMT9
12 Dec 2021 02:12:50 GMT9

今夏の東京五輪・パラリンピックをめぐり、大会組織委員会には約4億5000万回の不審なアクセスや幹部を装った偽メールといったサイバー攻撃があったが、運営に支障はなかった。組織委のサイバーセキュリティーの責任者は「攻撃は想定の範囲内。時間をかけて地道な準備を徹底したことが成功の要因だ」と強調した。

責任者はNECネクサソリューションズ(東京都港区)の中西克彦氏(45)。2015年から組織委に出向し、担当部長としてサイバー攻撃への対処に当たった。

中西氏によると、大会前の19~20年、差出人として組織委の武藤敏郎事務総長や国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長をかたった英文メールが組織委関係者や各国のスポーツ関連団体などに送られた。メールには、IDとパスワードを入力させて盗む「フィッシングサイト」に誘導する記載があった。送信側は、盗んだIDなどを基に別の犯罪やサイバー攻撃を行う目的があったとみられる。

メールは少なくとも6000件確認されたが、組織委関係者で誤ってIDなどを入力した事例はなかった。中西氏は「パートナー企業の社員も含め、メール攻撃を想定した訓練を10回以上、延べ1万人以上に行ったことや、日頃から不審メールへの注意喚起を繰り返したことが良い結果につながった」と分析する。

大会期間中には、大会公式サイトや組織委のネットワークシステムに対し、約4億5000万回の不審なアクセスがあった。いずれもブロックし、大会運営に支障はなかった。

中西氏は「システムをつくる段階から専門家を交えた安全性のチェックを行った」と強調。高度な技術を持つ「レッドチーム」にサイバー攻撃を試みてもらい、対策の不備を埋める作業も実施したという。

中西氏は「五輪には政府、関係機関、企業といった複数の組織が関わる。安全な大会運営という共通の目的を持ち、システムの重要性を踏まえながら連携して対応したことは、今後の大規模イベントでレガシー(遺産)として活用できる」と話した。

時事通信

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