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著名なトルコ人俳優、エルドアン氏への「侮辱」 で刑務所に入る危険にさらされる

トルコの著名な作家で俳優のムジャット・ゲゼン氏(現在77歳)は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を侮辱した罪で再び刑務所に入る恐れがある。(ムジャットゲゼンアートセンターの配布資料 AFP通信経由)
トルコの著名な作家で俳優のムジャット・ゲゼン氏(現在77歳)は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を侮辱した罪で再び刑務所に入る恐れがある。(ムジャットゲゼンアートセンターの配布資料 AFP通信経由)
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28 Feb 2021 08:02:20 GMT9
28 Feb 2021 08:02:20 GMT9
  • この俳優は、トルコの指導者が「いわゆる芸術家たち」と軽蔑的に呼ぶ人たちの1人であり、この指導者との長年の闘いの中で最も新しい犠牲者になる危険にさらされている

イスタンブール:ムジダット・ゲゼン氏は、トルコの著名な作家および俳優で、キャリアは半世紀にもわたる。複数の賞を受賞し、国連親善大使を務め、さらには1980年のクーデーターでは刑務所に入った経験もある。

77歳になった今、この皮肉とウィットにあふれたコメディアン兼詩人は、穏やかな笑顔を浮かべ、背中を痛めているが、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を侮辱した罪で、再び刑務所に入る危険性がある。

同氏は、トルコの指導者が「いわゆる芸術家たち」と軽蔑的に呼ぶ人たちの1人であり、この指導者との長年の闘いの中で最も新しい犠牲者になる危険にさらされている。

「私の名前はクロスワードパズルに出ることさえ禁止されています」とゲゼン氏は冗談を言った。

ゲゼン氏は、2018年に反体制寄りの放送局「Halk TV」 のテレビ番組に出演した際の発言をめぐり、仲間のコメディアンであるメティン・アクピナー氏(79歳)と法廷に立った。

同放送でゲゼン氏は、エルドアン首相に「身の程をわきまえなさい」と語った。

「レジェップ・タイイップ・エルドアンさん、こちらを見てください。あなたは私たちの愛国心を試せない。身の程をわきまえなさい」とゲゼン氏は放送中に述べた。

同氏のパートナーであるアクピナー氏は、さらに一歩進んでこう語った。「私たちの国が (民主主義) にならなければ・・・この指導者は足をつるされたり、地下室で毒を盛られたりするかもしれません」

これは、2016年に失敗したクーデターを切り抜けた後、エルドアン氏が全面的な弾圧を行い、いまだ情勢が不安定なこの国では危険な発言である。

2人の裁判は、学生たちの抗議行動が相次ぎ、エルドアン政権が混乱する中で行われる。この抗議は、2003年以来エルドアン氏が首相兼大統領として行ってきた厳しい支配に対するトルコ人のいらだちを示している。

検察は、このベテランの著名人2人を最長4年8ヵ月間収監する方針だ。判決は月曜日に出る予定となっている。

本をめぐり刑務所に
元ミストルコの女性から子どもまで、数千人のトルコ人がソーシャルメディアやテレビでエルドアン氏を侮辱したとして起訴されている。
ジョークや発言にいら立ったエルドアン氏は、2018年に自分を批判する人々は「代償を払うことになるだろう」と警告した。

「次の日、警察が現れ、私は検察に供述するよう呼び出されました」とゲゼン氏はAFP通信との電話インタビューで語った。

ドアをノックする音は、冷戦の真っただ中にあった1980年、軍事政権がトルコの文民政府を転覆させた際、20日間の獄中生活を送った後に法廷に引きずり込まれることになった経緯をゲゼン氏に思い出させた。

ゲゼン氏がナーズム・ヒクメット氏について書いた本は、クーデターの後に棚から撤去された。ナーズム・ヒクメット氏は、おそらくトルコの最も有名な20世紀の詩人で、1963年にモスクワで亡命中に死亡した共産主義者だ。

「私は、殺人犯や密輸業者を含む50人の犯罪者の一団と一緒に鎖につながれて法廷に連行されました」と同氏は振り返った。

同氏は1980年に裁判所によって釈放されたが、月曜日に無罪になるかはまだわからない。

ゲゼン氏は、この類似点や、エルドアン政権下でトルコが歩んだ道に違和感を覚えている。

「刑務所には記録的な数のジャーナリストが入れられており、こんな事態はこの国の歴史でいままで見たことがありません。それが私を動揺させるのです」と、同氏は述べた。

イライラする独裁者

50冊以上の本の著者であり、イスタンブールにある自身のアートセンターの創設者であるゲゼン氏は、何十年もの間「面と向かって政治家を批判したり、パロディにしたりしてきました」と語った。しかし、そのことで刑務所に入るということはこれまでなかったという。

同氏はその人気と決意により、2007年にはユニセフ子ども救援基金の親善大使としての役割を任された。

しかし同氏は、「芸術は本質的に反抗的である」という、トルコの率直に意見を言う芸術家の伝統が、エルドアン政権下で衰退しつつあることを恐れている。

「私たちは今、自己検閲をしています。しかし、私にとってさらに辛いことは、(一部の芸術家は)政治に関心がないことです」と同氏は述べた。

「大統領は、芸術家に期待する振舞い方を述べています。しかし、それは国の大統領が決められることではありません。決めなければらないのは芸術家です」

今や安全のため、ゲゼン氏の弁護士は出版前に同氏の本を読み、法律上の問題を避けるようにしている。

「トルコでは危険なのです」と同氏は述べた。

かつて隆盛を誇った反体制派のメディアの多くは閉鎖されたり、政府の仲間に乗っ取られたりしており、独立した意見を伝えられる場はさらに少なくなっている。

しかし、同氏は根気強く楽観的であり続けている。同氏によると、トルコの民主主義は目に見えているが、手が届かないものだという。ちょうど、座礁した船から見える岸辺のようなものだ。

「そして、マストの上にいる誰かが叫ぶでしょう。『陸地が見えたぞ!』と」

AFP通信

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