
ナジア・フッサリ
ベイルート:レバノンのシーア派コミュニティの間で不満が高まっており、伝統的にヒズボラとアマルへの支持が根強い地域で抗議行動が起きている。.
抗議行動はべカー南部と北部で発生した。闇市場のドル為替レートが14日日曜日には1ドル13,000レバノン・ポンドに達するなど、国の通貨の価値が下落し続ける中でのことであった。
活動家のフセイン・エズ・エルディンは、2つの党(ヒズボラとアマル)に忠実な数多くのシーア派が公的機関またはその関係組織で働いている、と説明する。
「以前の大衆による抗議行動では、こうした人たちは表に出て不満を示すことはしませんでした。立ち上がりにくい環境だったのです」とエルディン氏はアラブニュースに語った。「おおっぴらに声を上げていたシーア派の抗議者のほとんどは、左翼系か単独の参加者でした。ですが、先週のレバノン・ポンドの前例のない暴落で、公的機関の人々も怒りを示し始めました。現地通貨で支払われる彼らの給料は、もはや彼らの生活を1週間ささえるのが精一杯になっています。ヒズボラからドルで給料をもらっている人たちでさえ、怒りを感じ始めているのです。」
ベイルートの南部郊外、ベカーおよび南部で盗難が増加しており、氏族間の衝突も増えているとレバノン国内治安部隊は報告している。衝突や犯罪活動の増加は、これらの地域の事実上の権威であるヒズボラとアマル運動の影響力が弱まっていることを示唆している。レバノン・ポンドは24時間で20パーセント下落した。
ヒズボラに忠実なはずのシャイフ・ヤセル・アウダ氏が党を激しく批判しているビデオテープの映像がソーシャルメディアで流布している。アウダ氏は、状況はもはや容認できるものではなく、民衆は空腹であると言っている。「彼らがまだ沈黙しているのなら、それは今までのヒズボラとアマル運動への敬意によるものにすぎません。」
アウダ氏は法学と社会問題を専門としており、シーア派は現在のレベルにまで悪化した「屈辱」にもう耐えられないと見ている。
「私たちの生活をこんな状態にして、いったいどういうつもりなのでしょうか?」とアウダ氏は問いかける。「私たちにもっと我慢するようにと言うのも、私たちの髭を笑うのも、もうやめてもらいたい。空腹になれば誰もが泥棒や麻薬の売人になってしまう可能性があります。子供たちに食事を与え、父親のために薬を購入し、家賃や病院の費用を支払わなければならない人たちは、いったいどうすればこれ以上我慢できるというのでしょうか?」
アウダ氏はまた、ヒズボラとアマル運動に対しレバノンのためを考えるよう呼びかけた。すべての勢力が、レバノン軍でさえも、空腹でいるというのに、いったいどうやってヒズボラとアマル運動が自身を祖国に統合し、民衆を大切にできるというのか、考えてみるべきだとアウラ氏は訴える。「人々は、今日は影に隠れて不満を叫んでいるが、明日には堂々と怒りを表すようになっていきます。いったいどうするつもりなんですか?」
活動家のアリ・アルアミンは、ヒズボラの支持者たちは、声を上げれば反逆罪で告発されるため、苦しみをを隠しているのだと話す。「時が来れば、こもった不満が現れるかもしれない」と彼はアラブニュースに語った。「困窮は混乱と混雑の増大につながるでしょう。人々の不満がどのような形で爆発するか、私たちには分かりません。」
2人の著名なヒズボラ支持者、アニス・アルナカシュとカセム・カッシルの両氏は、悪化する経済危機を考慮しながら、ヒズボラの運命について問題提起している。
アルナカシュ氏が、抗議運動はレバノンの崩壊につながるだろうと述べたが、一方カッシル氏はヒズボラに対し、イランから独立し、アサド大統領を擁護してイランのために戦ったシリアから戻り、レバノン国内の混乱に注意を向けるよう求めた。
しかし、ヒズボラの支持者たちはカッシル氏を裏切り者と非難し、糾弾キャンペーンは同氏が謝罪するまで続けられた。エルディン氏は、ヒズボラからドル建てで給料を受け取っている人々は、近隣の人々、親戚、そして地域社会から敵意を感じ始めていたと語っている。 「社会的な亀裂が生まれてしまいました。人々は給料がドル建ての人々を悪く言い、店が皆つぶれる時が来ればポケットにそんなにお金があっても何も買えなくなり、“あなたも私たちのように飢えるだろうさ”とさえ言うのです。」
エルディン氏は、こうしたドル建て給料の人々には自分たちを弁護する言い分がなかったとも付け加えた。代わりに、高級車をひけらかすことが減り、社会的流動性が縮小した。「チレでは、車での通勤すらぜいたくだと思われているのです。お金持ちが近所にいれば、お腹を空かせたときには訪ねてみるでしょう。安定性が広い範囲で揺らいでいるときには、すべての人が影響を受けてしまうのです。」